2005/10/24

いばらの王 (6) (ビームコミックス)いばらの王 6巻/岩原裕二エンターブレイン
(良い意味であり、賛辞としての)『B級』アクションホラー作品、堂々の完結。
最後の最後にまだどんでん返しのネタが仕込まれていたりで、ラストまで心地よい緊張感を感じながら読み切れました。面白かったなぁ。
著者氏の次回作を心待ちにしていますよ。とりあえずそれまでの間に時間を見付けて、もう一度この作品を読み直しておこうと思います。



Under the Rose (3) 春の賛歌    バースコミックスデラックスUnder the Rose 3巻/船戸明里幻冬舎
「前巻の過酷な展開から、少しは救われる話になるだろうか…」と心配しつつ読んだら、少しは良い方向へと動いていたものの、その後で激しく残酷な展開つ〜かオチで次巻に引きました(死)
越えたよ!『エマ』の不遇さを遙かに!19世紀英国の貴族社会、マジこえ〜〜〜!!!(T▽T)
いや、物語としては相変わらず面白いのですが。
ブレナン先生の貞淑さと潔癖さの、美しさと痛々しさを思うと、今後の展開が恐ろしいやら楽しみやら。まぁここで最悪の事態を迎えたので、後はどのように救済へと向かうかだとは思うのですが。
次巻はいつ刊行になるのだろうかなぁ。それまで自分はこの作品の事を思い出すたびにガタブルせねばならぬのか…。
その他小ネタ感想としては、ふと「潔癖症はね、つらいわよ。汚された、と感じた時、分かるわ」という赤木博士の台詞を思い出したり、「アンナ奥様は筋金入りのツンデレだよなぁ」と思ったり。そう、実は自分はこの作品でアンナ奥様が一番好きです(笑)
巻末の若かりし頃のマーガレットさんマンガも、次巻では是非復活させて頂きたい所で<アレが本編の重さへの救済装置だったのに、よりによって何故今巻にはソレがないのか…(涙)

カズン 1 (Feelコミックス)カズン 1巻/いくえみ綾祥伝社
「まだいい」「これでいい」と、あきらめるだけのぬるま湯のような日々を過ごす、白川つぼみ18歳。高卒フリーター彼氏ナシ。ちょっとぽっちゃり目のどこにでもいる冴えない女の子。
けれども初めて好きだと思える人に出会ってちょっとずつ、自信をもてない自分を、他人をうらやむだけの自分を見つめ直してみる。
「今日だけがチャンスじゃない」かもしれないけど、「今日だけがチャンスって日も絶対ある」んだから、「今度また」じゃなくて今、変わるんだ。
そんなつぼみちゃんの日常と恋をえがき、彼女が変身を決意し実行し始めた所で次巻へと続く今巻…と、この下手なあらすじ(?)だと何が面白いのか全く分からなくてアレですが、つぼみちゃんのナチュラルな気持ちの表現と、ソレを誘発する出来事や脇役の配置が非常に巧みですよこの作品。というか著者氏。
小さな不安と小さな喜び。それに突き動かされて一喜一憂しながら進む小さな足取り。けれども確かな第一歩。つぼみちゃんの中には、女の子の『キラキラ』がいっぱい詰まっている。まぶしいなぁ。