06/4/16

サナギさん 2 (少年チャンピオン・コミックス)■サナギさん 2巻/施川ユウキ/秋田書店
言葉遊びで広がる世界では、想像の翼でどこにでも行ける。
人が言葉によって自分の中に世界を再構築しているならば、サナギさんやフユちゃんの目に映る『世界』には、どんな風景が広がっているのだろうか?
…とか何とかはさておき、登場人物たちの単語解釈と、そこから連想される妄想の妙味には、今巻もまた笑ったり和まされたりします。
そして巻末の『あとがき』を読んで、この作品全体に漂っている心地よい空気が何なのか…というか、その温度のようなものが少しだけ手に取れたような気がしました。
自分もさっき居眠り中に会社に行く夢を見たので、明日はもう休んでもいいような気になってきました<ソレ間違い



もずく、ウォーキング! (1) (ヤングチャンピオンコミックス)■もずくウォーキング 1巻/施川ユウキ/秋田書店
「我思う故に我在り」とばかりに、日常を時に哲学的に、時に詩的に思索して物思いにふける犬の『もずく』。
かなり賢く少しハードボイルドの風情を漂わせる愛玩動物の哲学は、やや厭世がちで諦観が漂うものの、何せ面白おおらかな飼い主一家との生活の中から生成された論理なので、帰結するのは心温まるトホホオチだったり。
嗚呼、所詮はお育ちの良い箱入り小動物の限界…しかしそんなもずくの世間知らずな賢さと優しさが、どうにも愛らしいくいとおしいのです。
難しそうなことを考えてちょっと感傷に浸っても、基本的に愛されて満たされている。『だからちょっと困ったり悲しいことがあっても平気』という、もずくの小さく優しい世界は、読んでいてほんわり安心できますよ。
どうせ眺めるだけならば、隣の芝生は青く健康に茂っている方がいいものなぁ。