06/6/29

レナード現象には理由がある (ジェッツコミックス)■レナード現象には理由がある/川原泉/白泉社
私立・彰英高校は全国でも有数の超が付く進学校…なのだがそこに通うのは才に秀でた優等生ばかりではなかった。
ハンド・パワーの癒し系や、究極ポジティブシンキングな脱力系など、少々(?)風変わりな『フツーのヒト』と、それをめぐる(あるいは振り回される)人々が綴る、ボーイミーツガールの物語。
著者氏久しぶりのコミックスは、コレまた久しぶりの学園モノでの連作短編集。4作中前2本はいつもの川原マンガのノリなのですが、今回問題なのは残りの2本。いや〜、よもや著者氏の作品で『幼女萌え(ロリコン疑惑)』だの『BL(そして同性愛)』だのがネタになる日が来ようとは…色々な意味で感慨深いです。
とはいえそこは流石のカーラ教授。特化したネタもきちんと川原ワールドのタネとして組み込まれております。
それにしても、『歳の差カップル』の話は過去の川原作品にもあったような気がする(ただ、今までは女子が高校生以上)のですが、『BLネタ』に関しては特に驚きました。
で、その問題作・『真面目な人には裏がある』の主人公である晶ちゃん。ビジュアル的にもキャラクター的にも、過去の川原ヒロインとはひと味違ったキャラだよなと<飄々加減についてはいつものヒロイン像の範疇だとは思いますが
話の終わり方も既存作にはないパターンだったように思うのですが…ソレを構造解析して説明できるような能力が自分にはない…(^^;;)
そんな諸々はさておき、実はこの話(というかその終わり方)が一番ツボでした。
『ふり』を続けることで、彼らの間には結局愛が芽生えたのかそうでないのか。でもどちらにしても、きっとずっと一緒につるんでいそうな…そんな曖昧さが心地よい関係を暗示するようなオチの最終ページが、たまらなく魅力的でした。
8/28発売メロディ誌に掲載される読み切り作品のタイトル(『その理屈には無理がある』)を見ると、今作同様『彰英高校シリーズ』なのかなぁと?<このシリーズは続いてくれるといいなと思っているので、そうだったらいいなという予想
最近すっかり忘れていた映画の『笑う大天使』(※音注意)も、7/15公開とのことで今から楽しみです。コレは劇場で観たいなぁ。



宙のまにまに 1 (アフタヌーンKC)■宙のまにまに 1巻/柏原麻実/講談社
高校進学を期に幼少時に暮らしていた、『悪魔』が住む想い出の街へと帰ってきた朔。そこで彼を待っていたのは、かつて愛する本をたてに幼き彼に天体観測を強いていた『悪魔』…天真爛漫でハイテンションが過ぎる幼なじみ・美星との再会だった。
高校生少年少女たちが繰り広げる、清く楽しく美しい天文部ライフ。
幼なじみの元気少女、その守り役の知的先輩、朔に好意を寄せる同級生、天文部を敵視する文芸部所属の生徒会長などなど、魅力的な女の子たちに囲まれ(というかもみくちゃにされ)つつ、本の中だけに『世界』を観ていた朔が、頭上に果てなく広がる『新しい世界』へと目を向けてゆく物語。
…とか書くとラブ要素が強そうですが、今の所はまだ軽いラブコメノリで、むしろ個人個人のキャラクターとその意識の掘り下げや、仲間同士のコミュニケーションを微笑ましくえがいているカンジです。その仲良しさんっぷりがまたいい雰囲気なのですよ。憧れのほのぼの学園ライフが甘酸っぱい!
私的には天パ娘な姫ちゃんの恋を応援しておりますが、やっぱり正ヒロインは美星なのだろうなぁと<いや、美星は美星でかわいらしいのですが
次巻辺りには美星の父母(おそらくどちらかor両方が鬼籍に入っている?)の話にも触れられそうで、それを知った朔との関係がどう変化するのか気になる所です。
ソリャそうと、『強気なメガネ巨乳・生徒運営組織のリーダー・文芸部所属・主人公の所属する組織に敵対意識』というキャラ属性の琴塚先輩を見て、ふと『辣韮の皮』の塩釜女史を思い出しました。好きだなぁこのタイプ。