06/10/28
■5日間更新を休んだだけで9冊も溜まって…orz
■共鳴せよ！私立轟高校図書委員会 1巻／Ｄ・キッサン／一迅社その辺にありそうな高校で、ごく普通の高校生たちがやる、よくある委員会活動…だが、委員各々が持つ個性が絶妙にブレンドされることにより、凡庸な学校図書館はオモロおかしな社交場と化すのだ！
いやー、『共鳴せよ！』とはよく言ったモノだ。
お気楽極楽な学生の日常4コマ。ギャグ的な『爆笑』の勢いはありませんが、まったりと読めてプッと吹き出すコメディ的面白さがかなりツボに入りました。
設定やキャラ付けはワリと定番で、特に三村と黒田はかなりテンプレ気味だと思うのですが、それでもやっぱり面白いなぁと思うのは、著者氏のセンスの賜物かと。黒幕副委員長メガネっ娘…いいよなぁ三村。
■○本の住人 1巻／kashimir／芳文社早くに両親を亡くし、兄妹ふたりで暮らすのりことお兄ちゃん。家計は清貧気味だけど、ふたりは今日も元気です！
…とか書くとけなげ系っぽいが、お兄ちゃんの職業が『発禁寸前の奇書ばかりを著す絵本作家』で、『清貧』の実体が『その兄による病んだオタク趣味のための散財』となると事情も変わろうというもので（笑）
健気苦労人なのりこの周囲には、この困った兄を筆頭とした『好き勝手に生きまくる』友人や大人ばかり。それに振り回される賑やかな日常は、迷惑あまって楽しさ100倍？
しかしちーちゃんの破壊力は、まとめて読むと猛烈ですな。同じ人類とは思えない＜ちーちゃんは、ちーちゃんという種族なんだYO！
ともあれ待望の1巻刊行！これで「もしコミックス化されなかった場合に備え…」と続けていた雑誌購入＆切り抜きを止められますよ（^^;;）＜でも『モテ王』みたく、コミックス未収録分とかが発生する場合もあるしなぁ…
童話絵本風の描き下ろしカラー6Pに加え、カバー下どころか帯裏にまでネタを仕込んだ充実の出来で、ファンとしては嬉しい限りです。
デザインすげーと思ったら、やっぱり里見（の謎）さん（笑）でしたか。流石の仕事っぷりですなコリャ。
■メテオ・メトセラ 8巻／尾崎かおり／新書館生あるモノを憎むユカの願いにより、地上に生きる全ての者を滅ぼさんとして起動された軍事衛星を止めようとするレインとマチカ。そのユカに亡き息子の面影を重ねるシャレム。そして不死の秘密を欲してユカを追うフォーク。
全ての事象の渦中。あらゆる出来事の交点。すなわち中心にいるユカ。底のない絶望により心を歪めて凍てつかせていた彼が、レインの危機に取った行動とは？
クライマックスへと向かう物語は更なる深みへ。
主流の熱さもいいのですが、いがみあうユーリとエイラのふたりが、まだぎこちなくも寄り添うあうに至る展開といったサイドの流れも染み入りますよ。
次巻もまた今巻のように順調に刊行されるといいなぁと願いつつ。芸術家型の作家氏のファンを続けるのも大変ですよな＜まぁ、そこも含めてこその作品の魅力ではあるのですが
■暴れん坊本屋さん 3巻／久世番子／新書館マンガ家と書店員を兼業する著者氏のエッセイコミック、完結。
でも既に始まっているらしい新連載も『本にまつわるエトセトラ』なネタらしいので、そちらも楽しみです。
『DEATH注文書』は、『注文したはいいが、絶妙のタイミングで版元在庫切れして結局入荷できない（再版待ちになる）注文書』というのでいかがかと？
あと、自分は『「本の帯は装丁の一部だよ！外して捨てるなんてもってのほかだよ！元々帯があるはずなのに外された本なんて買わないよ！」…派』です。
自分が勤務していた本屋でも、帯外しはしなかったしなぁ…『濃い』側の本屋だったから？（^^;;）
■豪放ライラック 5巻／桑田乃梨子／ワニブックスいっそ潔いほど進展のなかった央司の恋が、ついに
…あ、うっかりオチを書いてしまった。決着！＜いやでもみんな分かってたよねコレ（笑）
それなりにさわやかなのに妙に生々しい、あのシーンの空気や小野のコメントにちょっとビビったり。これだから桑田マンガはあなどれねぇ。
ソリャそうとして、マンガを読んだら出雲に行ってみたくなりました。長期休暇に入ったら行ってみるかなぁ？
■デトロイト・メタル・シティ 2巻／若杉公徳／白泉社インディーズシーンで勢力を伸ばすデスメタルバンド『DMC』に、パンクとヒップホップの雄が挑戦状を叩きつけた。インディーズ最凶の名をかけた異種格闘技の狂乱の宴が、今、幕を開ける！ゴートゥDMC！
…いや、そういうマンガじゃないだろコレ＜いや、そういうマンガでもあるだろうが（笑）
ヒーローもイケメン俳優も偽物も幼なじみもまとめてファック！クラウザーさんの勢いはとどまる所を知りません。
特に「ぼ 僕が六本木ヒルズのお父さんになっている…」な東京タワーへのファックでマジ笑い死にそうになりました。DMCは危なくて自宅以外では読めません＜外で読むと笑いを堪えきれない顔になるので、自分が不審人物に…
和田君が地味に特訓したりレベルアップしているのに感動しました。いや、何かそこだけフツーの音楽マンガみたいで（笑）
■仮スマ 3巻／櫻井リヤ／集英社大人気アーティスト・サク（中身は地味な田舎者）とクールビューティー歌姫・花音（中身は関西系おばちゃん）が大接近!?
お互いがソレと気付かず、正体のまま微妙に親密度が上がっているのが今回のポイント。少女マンガ誌掲載作品として、最終回はもう、この二人が互いの正体に気付いてくっつくしかないよね！…ね？
コレとDMCの相違についてはこの辺でネタにしたのですが、『敵の黒牛を手なずけ』がカブっちゃってたなーとか。いや、双方の主人公が『田舎出身で牛の世話経験者』という背景があり、『動物手なずけ危機回避ネタ』自体もわりとオーソドックスなパターンではあるのでいいのですが。
そりゃそうと、前述の『共鳴せよ！（以下略）』でもそうでしたが、『軽薄な見かけに反してインテリだったりいい人だったりするコギャル像』というのは、他の作品でも割と見るような？
『ギャップを利用したキャラの肉付け』という手法というか、ある種の人間讃歌というか…などとかを色々考えたのですが、面倒なので解析ヤメ＜投げっぱなし
■積極−愛のうた−／谷川史子／集英社大学教授の助手を勤める美幹は、卒業間近の大学生。故郷の中学に仮就職が決まり、同居中の彼氏との未来を想像出来ず、かといって心地よい今の関係に終わりを切り出せない。
そんな彼女が慕うのは、「亡くなった妻が悲しむから」と女子学生とは目も合わせない、老齢の鳥野教授。
「きれいなものとかいいものをみて、そういうのをぜんぶあげたいって思う。しあわせで、いつも笑っていてほしい…これはもう愛ですね…」
そんな表題作品と、ある結婚式を中心に起こる群像騒動劇、恋が始まった時の心を思い出せずに苦しむ少女の時間旅行を収録した短編集。
群像劇で新郎を勤めるのは、『ホームメイド』の鳶田君。貴和子先生も大活躍で、谷川ファンには嬉しい仕掛けです。
巻末エッセイマンガも絶好調。やっぱりより抜きエッセイマンガ集を刊行して欲しいよなぁ。
■バイ・アンド・バイ／いくえみ綾／集英社小倉佳英(15)。毎日は普通に楽しく普通に退屈。けれどある日、ちょっとした勢いで通学とは逆方向の電車にのったことから、いつもは見えない世界…初めて遭う『日常の谷間』へと次々と落ち込んでゆく。
人は恐い。人は悲しい。けれども人は、暖かい。
他、深夜の公園に魔法陣を書く中学生少女と出逢う大学浪人生、父の死を知らずに訪ねてきた『父の友人』と夜を過ごす兄妹の話、3篇を収録した短編集。
「相変わらず上手いなぁ」と感心するネームの巧みさ。特に最後の『友達の子供』は、ミステリアスな展開と余韻深いオチ、そして何よりもタイトルの絶妙さに痺れました。
『いつでもそれを考えている』というほどではなくとも、人の心の底には『忘れられぬ想い』というものが眠っていて、誰しもそれと共に生きているのだ。
なんちて。
