06/11/25

鋼の錬金術師(15) (ガンガンコミックス)■鋼の錬金術師 15巻/荒川弘/スクウェア・エニックス
物語の根底に暗く横たわり続けてきた『イシュヴァール内乱』。凄惨を極めたその殲滅戦の様相がついに明らかに。
マスタング立身出世伝』な外伝的側面もあるかなぁとか思いつつ、戦場における錬金術師たち各々の立ち位置や思惑などが、物語としては非常に面白かったです。特にキンブリーの『美学』については、その中でも群を抜いて魅力的なえがかれかたをしていたように思います。無論、賛同は出来ないとしても。
そんな本編の重さを緩和どころか吹き飛ばす勢いの、巻末おまけマンガは今巻も冴え光っておりましたよ。アルの腹黒さ、そしてハードボイルドな主張には心を奪われた!
でもっていいじゃんねぇ、『尻がバイーン』。「ウエストからフトモモのラインが渾然一体となってそこに小宇宙(コスモ)が」の主張には全面的に賛成します。



ラブやん(7) (アフタヌーンKC)■ラブやん 7巻/田丸浩史/講談社
幼女を愛で(るだけでなくちょっかいもかけ)ながらネバーランドに生きる犯罪者予備軍・カズフサ(28)の精一杯にダメな日常、with天使(だがその役職どころか、最近では性別までも捨てているとしか思えない)
ゲストキャラの登場によって話を続ける方式が、さりげに定着しておりますなぁ。デーボは固定にしても取り回しが利いたのではないかという気がしたり。
人体ダシ(もう当分エビが食べられない…)だの、ロリータの長老(64)だの、オ○ホの精だの、例によって全体的に(毎度の事ながら)気が狂った展開(<褒め言葉)の中で、庵子さんと谷口のちょっとしたラブコメ展開に心癒されました。
しかしコレでまた、この作品から数少ない正常人が失われてしまったら悲しいよなぁとかネ…。

もっけ(6) (アフタヌーンKC)■もっけ 6巻/熊倉隆敏/講談社
高校と中学、それぞれに進学して離れて暮らすようになった静流と瑞生。新しい環境、新しい出会い。少しだけ広くなった『世界』の中で、ふたりは何を想い、どこへと向かって歩くのか。
新展開…なのですが、雰囲気は従来とさほど変わりなく。おとなしいが芯は強い静流が、新しい友人とどのように触れ合ってゆくのか。もののけに対して親和性の強い瑞生が、どのように成長してゆくのか…まだまだ興味は尽きません。
特に、同じ属性でありながら陰と陽に分かたれたような、静流と御崎さんの関係には注目しております。

ああっ女神さまっ(34) (アフタヌーンKC)■ああっ女神さまっ 34巻/藤島康介/講談社
何かスクルドが色気づいてきたよ!かわいいけど寂しいよ!<ロリ者的発言
しかし何つーか…キャラの表情の付け方とかコマ割りとか、読みながら所々で違和感を感じた巻だったなと。間の取り方(雰囲気の描写)が上手く行ってなくて、ダレた感じに見える箇所も多々あり、改めて「もう終わらせ時じゃあないかなぁ」とも感じました。今更ですが34巻て(苦笑)

ふたつのスピカ 11 (MFコミックス フラッパーシリーズ)■ふたつのスピカ 11巻/柳沼行/メディアファクトリー
旧友との再会。そして3度目の課外訓練。人が人に寄せて託す『想い』、それがアスミと仲間を強く大きく育てていく。
どんなに辛い時だって、黙って手を握ってくれるような『ともだち』がいたなら、きっとずっと歩いていけるんだ。
作業ロボットとの競争エピソードは、ここまで積み上げてきた女の子3人の友情が綺麗に結実したなぁと感慨深く。特に大きく変化したマリカの心情描写がもうたまらなく切なかったです。
今後、マリカが語るであろう『病気』の話に対するケイの反応が気になりますが、でももうきっと、そんなことでは彼女たちの友情は(少しは揺るぎはしても)決して壊れはしないであろうと確信しておりますよ。