もずく、ウォーキング! 3巻/施川ゆうき/秋田書店

もずく、ウォーキング! 3 (ヤングチャンピオンコミックス)哲学するニート犬(飼い犬だからね)・もずくの元に訪れる、珍妙な客、驚きの事件、初恋、そして死………死ぃ!?
…いや、死なない死なない(^^;;)
けれど、もずくとお別れの最終巻です。
まだまだもずくの暮らす日常とその思想、彼の生み出す『心の小宇宙』を味わいたかったのですが…残念ですよ。
今巻はもずくを取り巻く人々の事件や、作中作である『名犬ルッコラの冒険』など、他者の視点を介してより深く、もずくの姿やその『世界』を見られる話が多かったなと。
この飼い主にしてこの犬あり。あるいは彼が彼であるが故の交友関係。
生きる者の在り様は、他者との繋がり方によって形作られる…そんな当たり前のことが、何とも尊く愛おしいと感じられる、小さなもずくの小さな世界。
本の中に綴じられ、閉じられた、けれどこのままどこか遠くへと続いてゆくような、もずくの歩み。もずくとは一旦ここでお別れですが、思い出せばきっともずくは側にいる。そんな風に思える終わりでした。