切間家御用達@嘘喰い


■ 『賛同者』が『理解者』だとは限りません。
…いや、むしろ正しく理解しているが故の、あの結論なのか?(笑)



■ UP時はもう木曜朝なので、今週の227話感想。
■ 『塔』の内外をバラバラに巡っていた『物語』も、一巡の果てにここで今ひとたび統合される。それはまるで体内を巡るあまたの血球が…その血潮の奔流が、必ず心臓へと還り戻るように。

■ 『ごみ溜めのような宴会』に列席する蘭子と、タワー内部に潜り込んだレオの通話。蘭子は何のパーティーに参加してるのか(政治家のパーティーっぽい?)、そしてそれも今回の蘭子の『計画』の一部なのかどうか?
■ レオが語った『斑目さんが安全地帯(暴力禁止の1Fロビー)を離れた理由』を見て、「あああああ!言われてみればソリャもっともだ!」と心底思いました。

雹吾が入力に失敗する(端末に入力できる数が2回になる)

失敗を知り焦った捨隈が2度目の入力をする(入力数が1回に減る)
(その入力が成功すれば即ゲームオーバー)
(失敗だった場合、入力権を失った捨隈組はドティ勝負をする必要がなくなり、斑目さんは正解数を得るために必須の『勝負』が出来なくなる)

それを回避するための、『なりふりかまっていられなかった』行為がアレ。
「展開や伏線に目と気を取られ過ぎていて、一番自然な『至るべき考え』に対して盲目になっていたなぁ」と自嘲しました。
■ 読者は客観事実として『捨隈の入力失敗』を知っていますが、斑目さんはソレを知らないワケです。しかし、自身が弄した策を考慮して「(捨隈が正解数を把握できるのは)理屈が合わない」と、捨隈の失敗を『確信』した(だが『確認』は出来ていない)時、確かに斑目さんにはあの無謀な行動を選ぶしかなかったろうよなと。
一見「それだけ?」と思ってしまいそうな理由ですが、リアルに考えるとソレ以外でもソレ以上でもない、あの状況では他に選択肢のない最も妥当で的確な理由と対処だったよなぁと思いました…そして、あの斑目さんが『それしか選ばざるを得なかった』窮地に陥っている現状と、それでもなおあの行動を選んだことの勇気について考えると、何とも言い難い高揚感を覚えます。
■ にしても今回の『タワー決戦』。
207話の感想時に『(戦略的観点からの)斑目さんの『防衛戦』てのは初めてじゃないか?』と書きましたが、今回のこの『なりふり構わぬ決死の行動』とその結果(ドティ再戦が約束され端末への入力残数は2回に留められたが、斑目さんの目の負傷により入力可能数はマルコ分のみの1回に減少)には、そこに孕んだリスクの大きさが象徴的に現れていたような気がします。<…いや、「だから何?」と聞かれると返答に困りますが(^^;;)



■ さて、タワー外周組。
『空の落とし物』(降ってきたのが美少女とかならよかったのにねぇ…)でヤラれた丈一の『最後の言葉』は、実際の最後の言葉(「待て小僧 お…前 よ………く…も」)ではなく、「もう…お終いか?」の方で認定されたようです。レコーダーのように、自分(嵐童自身)に対してかけられた言葉のみを記録する方針なんでしょうかね?(「待て(略)」は雹吾に対する言葉だったので)
…って、どうでもいい話だな(^^;;)<でも今後、嵐童が敗れる時が来るならこの『最後の言葉』システムを揶揄する形の表現になるのではないだろうかなぁというアバウト予想。
■ つーか以降の勝負。SAT側は嵐童が連戦するようですが、丈一を失った(笑)(いや死んではいないと思いますが…)賭郎側はどうするのかなと?
■ 前々回に派手なカーアクションで登場した謎の人物は『密葬課の長』である模様ですが、単純に『密葬課という部隊の長(課長つか現場責任者?)』であるのか、あるいは密葬課と副総監の間に位置し、課を実際に運用する『上位部門の長(運用責任者)』なのか?
…いやまぁ単純に考えると前者である気はしますが。
■ で、姿を見せるより先に、スモークガラスの隙間から食べかけの茹で玉子を投げ落とす『密葬課の長』…脳内で即座に『玉子課長』という命名が成されましたが、『課長玉子』とか書いた方がネタっぽい表記だろうかと?(分かりにくいよ!<てかコレこそどうでもいいネタだよw)
■ 黒服軍団も、何で「egg…」て英語認識なのか…まさか『ゲップ』とかけてるのか!? Σ(^^;;)
■ その玉子課長(仮称)は『タワー突入の指揮を執る』役目であるそうですが、玉子課長は誰をどのタイミングで内部に送り込むつもりなのでしょうな。
送り込めるのは1人。次の勝負に勝てば更にもう1人…連戦で多少なりとも消耗する嵐童を使うのか? あるいは密葬課から新たな人材を出すのか?(車の中には運転手と玉子課長の他にも誰か乗っていそうな?)…それとも玉子課長自身が内部に入って陣頭指揮を執ったりするのかどうか。玉子課長の『采配』が気になる所です。
■ そしてこの『玉子課長・降臨!』な事態に際し、能面顔を崩さぬ判事に、「やはり」と思う南方。そして「早かったな」というお屋形様の認識。それらの態度から察するに、彼らは現在の展開をある程度は予想していたのでしょうか?
敵に先制を許したこの状況でも、なお底知れぬ余裕で事態を睥睨している感のあるお屋形様は、『何をどこまで察している』のか…あるいは『何のどこまでがその目論見の範疇』なのか?

■ それら全ての『狂騒』の中核である、帝国タワー内部の『賭郎勝負』。
勝負の行方を示唆するであろう『血の教誨師』が安置された1Fロビーに、ボロ雑巾のごとく変わり果てた斑目さんが、マルコに抱えられて命からがら帰還。
ソレを見て焦りを浮かばせた夜行さん…が心配しているのは斑目さん自身の安否なのか、その不調(どころではない被ダメージ具合)に影響されるであろう勝負の行方なのか?<素直に前者だと思えない夜行さんに対する微妙なキャラクター印象(笑)
■ そこで斑目さんを待ち受けるのは、既に気持ちを切り替え、覚悟も新たにしたが如き泰然自若とした捨隈の姿。『常に僅差で勝ち続けていた』という彼の『必勝の秘密』は、この先の勝負により明らかにされるのかどうか<本当に『神コンプレックスだけ』じゃないよなぁ?(^^;;)
■ それに相対し、満身創痍で『必勝法がない』と言われる勝負に挑む斑目さん…とりあえず改めて採血とかにならなくて良かったですね<斑目さんが今の状態で更に600mlとか血ぃ抜かれたらマジで死にかねんよな?(笑)
(ああ、でもまた腕に穴を空けられたのかw)
■ そいやずっと「雹吾が入力した数字を斑目さんに伝えてないよなぁ?」と思っていたのですが…マルコ…その超重要な情報を素でド忘れしたっぽい!?
「見たよ!」と行為の事実だけをアワアワと連呼するマルコに、「許さないぞ!」(だが許さないだけ)な某究極超人の姿を思い出しました。『見ただけ』で完結すんなwww
斑目さんが「気にするな…どうせ同じ事だ」つってたのは、忘却を自責するマルコへの慰めだったのかと。うーん、正しい『子供の育て方』だ(?)
しかし、確かに『選択肢が一つ少なかろうが多かろうが、やることは同じ』なワケですが、このギリギリの状況下では痛恨の失点だよなと。
ともあれ『マルコがいなければ勝てない勝負』(マルコの『暴』の強大さ以外にも、他に何らかの意味を孕んだ言葉であるように感じられたのですが…)らしいので、名誉挽回のチャンスはこの先にあろうかと。頑張れマルコ!
■ そいや斑目さんがマルコに言った「戻るベスト」ってのは、タイミング・条件・状況の、何にまつわる事柄なのか?(あるいはその他の何かに対してなのか?)

■ そんな、当事者達が二重の意味で『必死』な勝負の行方を愉悦の目線でヲチるのは、能輪が賭郎会員から募った20名の『観戦者』たち。『観戦料』を徴収しているようですが、コレも賭郎の財源確保の一環なのでしょうかね?
廃坑の時は単に『[人主](出資者)への余録としての観戦』なのかと思っていたのですが、今回のを見ると『賭郎勝負(あるいは時に號奪戦)の観戦と、対価としての金銭徴収』というシステムは、元々構築されていたものなのかなぁと思ったり。
■ 作中で『観戦者』へ向けた形を取りつつ、それを読む読者にも『ドティ勝負のおさらい』(勝負の骨子と経緯の説明)をする構造(と内容のまとめ具合)が上手いなぁと思いました。
そいやあの説明でのコミカルな人形はマトリョーシカっぽいなと思いましたが、サイズが同一なので収納できないから違うよなぁとか…あと「玉子に顔とか描いて作る人形を思い出すな?」と考えたら玉子課長を連想したのですが、まー別に関係なかろうなと。

■ それぞれの結果を次なる展開への布石として、第1フェーズを終えた『帝国タワー決戦』は、より深い興奮と謎を孕み、更なる加速をもって第2フェーズへ。
ここからまた各所それぞれの展開が分岐していくのでしょうが、それらがまた再び統合される時は、今回以上のカタルシスをもってその様を眺めることができるものと、期待に胸躍らせております。
つかもー、どこもかしこもの進行が気になって仕方がありません。
神視点で全てを一気に並列俯瞰できたらなぁと思いますよ。ホント。