立会人警視正・南方恭次の事件簿@嘘喰い


■ 今週号を読む前に描いたネタでしたが、速攻でシャレにならない状況になっていて我ながら吹きました。頑張れ南方…笹岡副総監がなるべく20件に近い秘密を持っていることを祈る!(笑)



■ UP時はもう木曜朝なので、今週の233話感想。
■ 丈一vs嵐童の再戦は、先週の今週という速さで丈一の圧勝により決着。
通信対戦な格ゲーで「さっき(第一戦)の敗北は、単にこっちがラグってただけなんだよ!」みたいなノリだったなとか<違うか?
「いざ!」という『ここ一番』の時にこそ、あえてフルスロットルの超加速で展開するのが魅力なこの作品ですが、その美しい速さをもってコンパクト&シャープに表現された丈一の圧倒的な強さには痺れました。
「丈一は、かませ犬なんかじゃないよ」みたいな?(笑)
■ そいやこのお屋形様vs副総監の『賭郎勝負』の、『権利の履行』と『対価の取り立て』はどうなるのだろうかなぁという疑問が?
現在(今回の勝負の結果により)、副総監側は『2名のタワー突入権(タイミングは任意)』、お屋形様(賭郎)側は『警察の黒い秘密(証拠付き案件)20件の接収権』を手にしている状態なワケですが…先に副総監側の権利が成立していますが、その履行はお屋形様の『取り立て』より前になるのか後になるのか?
■ んー要は、「前回の南方の口振りだと、『副総監は突入20人の対価となる20件もの秘密は持っていなさげ』なのだが、20件の全払いが確約されない状態で副総監の権利を履行してやっても大丈夫なのだろうか?」という疑問ですな。
■ …まぁお屋形様が南方に「なくても取ってこい」(超意訳)つってたし、ソレは回収する前提で副総監側の権利を履行しますかねぇ?
よし、南方超頑張れwwwww

■ で、巻き戻して丈一vs嵐童。
「お前が悪いわけじゃない」という丈一の言葉が、かつて嵐童の母が口にした言葉と重なり合うことで異相の情景がシンクロする台詞回しの妙味が、エピソードに一層の深みをもたらしておりました。丈一の言葉と鉄槌を、嵐童はどのような気持ちで受け入れた(受け入れざるを得なかった)のだろうかと…。
■ また、更には同じ『石橋』という例えを用いながら、異なる視点と価値観をもって(そして正にその言葉を『橋』とするように)、それを異相間(お屋形様の外馬勝負と斑目さんの賭郎勝負)でキーワードとして取り回す、アクロバティックなのにスムーズな語り口…たまらんですなぁ!
より高い位置から俯瞰するお屋形様の視点(概念的なのでスケールがデカく総括的)と、足を着いた実地(選択と状況)の比喩としてソレを語る斑目さんや捨隈の在り様(実感的なので狭義だが臨場感に溢れる)…対局でありながら互いを補完する語り口、そのどちらにも心惹かれます。
■ なお、お屋形様の口にした『UTOPOS』とは、『UTOPIA』のこと。
こちらの方がダイレクトで分かり易いスかね?)
しかし著者氏が何故わざわざ『UTOPOS』という表現にされたのか、その意図が気になります。出典(ネタ)元があるのか、単に韻を踏むのに都合が良かったからなのか?(コレと同類の言い分け方をどっかで見た気もするのですが、どうにも思い出せません…)
■ あと、この台詞を口にした時のお屋形様の表情が、スゲぇツボでした。

■ …というワケで、『退場者』のための最後の見せ場作りとして重要な、恒例の儀式である『過去回想』。今回の主役は勿論、嵐童。
先週の感想で、この作品と『意味が分かると怖い系の話』の『共通する構造』についてメモっていたのですが、今週の嵐童の過去話は特にその要素が強かった気がするなぁと思いました。
■ 正義感と腕っ節は強いが、不器用で自己表現が下手な男の子。
そのお母さんはいつでも彼の理解者で、たったひとりの優しい味方だった。
けれど、その不器用な『暴』の力だけで自分の正義を守ろうとし続けた彼は、より大きく卑劣な同じ力によって、かけがえのないものを壊された。
■ 幼かった彼をいつでも強く優しく守ってくれたのは、『お母さん』。
被害者の父母と子供が揃う席に、母子だけで現れる嵐童親子(母子家庭?)。
成長した嵐童(高校生位?)と、妊娠している母親(経年後の妊娠状態ということは、再婚相手との子を孕んでいる?)。
もう『自分だけのお母さん』ではなくなった母の口から放たれたのは、彼の存在そのものを否定する決定的な裏切りの言葉。
妖精の姿をした(まるで『お母さん』のように)美しいガラス細工のオルゴールは、幼きあの日も、そして今も、変わらぬ姿でそこにあるというのに…。
『お母さん』は、もういない。
それを『踊らせた』のは…『最後の言葉』を聞いた彼。
■ つーか、嵐童少年の『告白(というより、恐らくは贖罪)』の言葉を遮った人物(密葬課の課長あるいは構成員?)の口の利き方つーかやり口(丸め込み方)に、かつて斑目さんが雪井出を翻弄した天真を評したのと同じ『下臭な臭い』を感じるよなぁと…。
嵐童も命を捨てずには済んだようですが、この敗北によって彼もまた雪井出のように自分を取り戻せればいいなと。
いつか…過去と現在の『嵐舞の記憶』が、彼を赦す日が来ることを願います。

■ んで、焦点は再び移動しタワー内部の斑目さんvs捨隈へ。
打てる手は全て尽くしたと言わんばかりに捨隈に対し死刑宣告をする斑目さんと、ソレを真っ向から受けて立つ捨隈。
斑目さんは雹吾が誤入力した数を知らないだろうと断言した捨隈に対して、図星を指されたと狼狽するようなモノローグを見せつつも、その誤入力数は『8』だと静かな確信をもって断言し返す斑目さん。
コレが本当ならば、客観的には捨隈の珠数は4〜7となるワケですが…あー…話の展開順に感想を書きながら酒呑んでたから、もう具体数について考えられるだけの思考力が残ってね〜! 思考の優先順位をミスってる!(^^;;)
(つってもまぁ、酔ってなくても大した考察は出来ませんが。)
■ さておき。もし斑目さんの言葉が真実に裏打ちされたモノであるならば(となると、マルコからの報告を受け損なった『誤入力数』をどうやって知ったのかという疑問は残りますが)、そしてここまでの経緯から予測される最高の可能性をなぞっている場合は次の第3ターン、斑目さんが入力できるのは1/1でジャスト正解数になるはずです…よな?
果たしてその『正解数』と、ソレに至るに必要だった、しかし未だ明かされていない情報のかけらは?
■ …といった現況ですが、次回が合併号でその翌週は休みなので、『斑目さんの勝利確定を見た後、しかし謎解き部分は2週間後に持ち越し』…とかいう、スゲぇ生殺しな状態になりそうな予感が…orz

■ そりゃそうと、ラストページの斑目さんのそこはかとなくレトロモダンな耽美風情に、「次回はうっかりファションショーでも始まりそうな雰囲気だよなぁ…」とか思わされました。<多分、昔読んだ古いファッション業界系少女マンガの記憶が喚起されたのではなかろうかと…(^^;;)
■ でもって扉の『業深き物達』ってのは、誤植なのか、何か意味があるのか…。
(とか、いちいち気になる罪な作品だよなと。いやマジで。)