2004/5/19

てるてる×少年 8巻/高尾滋白泉社
「才蔵がしの姫の前で見せるためらいは、身分差によるものだけではないのだろうなぁ」とは予想していたモノの、よもやこんなベタな設定を堂々と出して来るとはなぁ…感心。そしてそのベタさが物語といささかも遊離していない事に、また更に感心いたしましたよ(<すみません、分かりにくいですが褒めています(^^;;))。特化した設定と状況の中で育まれた才蔵としの姫の恋愛を主軸として見た時のこの作品の山場が次巻に来るのかと思うと、激しく燃え&萌えますな!…いやゴメン、連載誌も読んでいるのでこの先の展開も実は知っているのですが(^^;;)。ってな話はさて置いても、しの姫の挙動を眺めているだけでこう…激しく萌え!『可愛い』のエピソードなんかはもういたたまれない程に萌え!<…とか言うお前がいたたまれないっつ〜の(^^;;)
ハチミツとクローバー 6巻/羽海野チカ集英社
竹本、その青春の旅立ち!少し前に流行った(そしてリアルでもある年代層には永遠に流行り続けるであろう)『自分探し』をここまで堂々と爽やかにえがくとはっ!…つ〜かこの美しいまでの青さはどうなのよと!?<いや、どうよも何も…。そしてその答えをハナっから持っている森田さん。アナタに必要なのは『自分探し』ではなく『自分の感情認識&解析』です(笑)。ソリャそうと、今巻の展開で自己内での野宮先輩の株が急上昇しましたね。スマートなくせにトホホな素敵メガネさんめ!でもって番外編の藤原デザイン事務所な物語は熱かったので、この人々(もしくは美和子さんと山崎君)のエピソードは是非また描いて頂きたいです。ハチクロに出てくる女性は皆、例外なく罪作りなまでに愛らしいですよなぁ(ウットリ)
余談ですが、自分の愚兄2号も『自分探し』なのか『なんちゃって冒険者』だったのか、自転車に乗って消えた事があったなぁと思い出しました。彼は自転車で日本を縦断し、一度家に戻った後で今度はオーストラリアへと渡り、路銀を稼ぎながらシドニーからメルボルンを自転車で走破して地元の新聞に載って帰国しましたよ。彼が何を考えて旅立ち、何を得て戻ってきたのかは謎のままです。いや、彼が不在の間、親父と戦うのに必死だった自分は爽やかに逃走した兄貴に気を回す余裕がなかった為に、その辺の話を詳しく知らないというか、聞いたのかもしれないのですがその時代のイヤな記憶共々一切合が切封印されているせいで思い出せないというか…(遠い目)
素晴らしい世界 2巻/浅野にいお/小学館
1話読み切りオムニバスな物語、完結。「恐らく最後は全話が円のように一つに繋がるだろう」とは思っていたのですが、そんな己のおざなりな予想を嗤うように、物語は閉じられた円に留まらず、螺旋のような弧をえがいて中空にすり抜けて行きました。そんなイメージの最終話。
過ぎる時間に僕らは押し流されていく。抗いながら。あるいはただ流されながら。「ソレじゃダメだ」と叫びながら。「それでもいいのだ」と笑いながら。願わくば、そんな僕の伸ばした手が、暖かいと思える君の手に繋がっていますように。