2004/7/20

四谷渋谷入谷雑司ヶ谷!! 2巻/あとり硅子新書館
1巻が出たのが1999年末…よもや本当に続巻が出ようとは夢にも思わず(笑)
かなり常軌を(というか人類という種族の為し得る行動の範囲を)逸した人物を主軸に展開される、短編連作形ナンセンスギャグ。しかし冷静に考えるとかなり恐ろしいその四谷の存在を、あくまで『日常範囲内の迷惑』と捉える渋谷、入谷、雑司ヶ谷達の存在の方が、ある意味で日常を遙かに超越していると言える気もします。あるいは『人は生きるためにあらゆる過酷な環境に適応する』とかいう寓話?
…などという七面倒くさい話ではなく、デタラメな四谷の生き様に振り回されては一喜一憂七転八倒する友人達を生暖かい目で眺めるまったりマンガです。もしくは『自分よりも過酷な日常を生きる人を見て「下には下が…」と和む』のもありかと<長々と書いた割には要領を得ない説明(笑)
蒼紫の森/桑田乃梨子白泉社
著者氏の『制服の高校生中心の読み切り作品』を集めた1冊。既刊からの再収録的な文庫版で、私的には「恐らく大元の既刊本は押入のどこかに入っているのだろうなぁ…」と思いながらも懐かしさのあまりつい買ってしまった1冊です。まぁ巻末描き下ろし作も充実しているお買い得本なので悔いはありませんが(^^;;)
ほんわりと甘じょっぱい醤油の香りを嗅ぐような『日常性と安心感』をもたらしてくれる、何年経っても変わらない著者氏の作品世界を堪能できる作品集。「最近ちょっと疲れてる…」とか「和みたい…」という気持ちを抱く寂しい人々(同士よ!)にこそオススメしたいと思います。枕のお供に、あるいは夜中の一人酒のお供に是非どうぞ。少しの切なさと、優しい暖かさに満ちた時間をお約束致します<…まぁ所詮は己の偏った趣味による曖昧な口約束に過ぎませんが(^^;;)