2005/1/12

そんな奴ァいねぇ!! 10巻/駒井悠/講談社
京極夏彦氏の『憂慮』コメント付き帯の存在意義がよく分かりません…ファンなのですか、京極先生?
気付けば10巻。気付けば10周年。しかし作風と画風(身も蓋もない言い方をすると画力)が恐ろしいまでに変わらないので、良くも悪くもあまり年月の流れを感じさせない作品ですよ(^^;;)
この作品を読んでいると、「中途半端に賢(さか)しいよりは、いっそ頭暖かく生きている方が幸せな生活を送れるのだなぁ」としみじみと感じてしまいます。いや、皮肉ではなく本気で。柳瀬(非現実的存在)と安原(多少逸脱気味ながらも日常の枠内での頭脳派)に挟まれた彼(名前が思い出せない程の『普通』さを遺憾なく発揮)の様子を見ていると特に。
つ〜か、ここまで奇人変人人外のオンパレードだと、それに対してごく一般的にふるまう人物の方が奇矯に見えてくるのが怖いなと(^^;;)
のだめカンタービレ 11巻/二ノ宮知子講談社
初めから目的が明確で、ソレに対して『音楽家』として努力し邁進してきた千明に対して、「そんな彼の側にいたい」という動機(と勢いとノリ)だけで行動してきた、(その動機の軽さとは釣り合わぬ才能を持ちながらも)ただの『音楽好き』だったのだめ。
そんな彼女が『(自身が)漠然と願うもの』には及ばぬ現実の自分の力量を思い知り、そこで向き合った優れた『音楽家』から「何のために?」と一人の『音楽家』としての姿勢を問われた時、そしてその問いに応える言葉を持たぬ自分に気付いた時…という所で以下次巻!すげ〜気になる引きですよ!
環境が人を変え、新たな出会いが人を変える。これまでがそうだったように、打ちのめされたのだめがまた立ち上がって大きく成長してくれる事を願いつつ、以降の展開をハラハラとしながらも楽しみに待ちたいと思います。
千明との恋愛模様は…何か折角千明が動いてきたようですが、のだめがそれ所じゃなさげなので残念な反面、そのままならなさがこの作品の面白さだよなぁとも思うので、気長〜〜〜に待ちたいと。このもどかしさがまたいい!<まぁ恋愛部分は(少なくとも今の所)物語の主眼でもありませんしね(笑)