2005/7/22

鋼の錬金術師(11) (ガンガンコミックス)鋼の錬金術師 11巻/荒川弘スクウェア・エニックス
父との再会…そして塗り替えられる、兄弟の旅の始まりである『母親の錬成失敗』の真実と、その意味。
…つ〜か、やっぱオヤジがラスボスなんですかね?
いや〜、相変わらず面白いとは思うのですが、何だか特にコメントは出てきませんよ。
とりあえず、語りとアクションとギャグのバランスが絶妙で、緩急のメリハリがはっきりとした45話の疾走感が非常に気持ちよかったです。
でもってカバー下表紙の、シリアスな本編が全てダイナ〜シになるネタ絵の破壊力も最高(笑)
しかし今巻は、巻末のギャグ4コマが1本しかないのが寂しかったなぁと。次巻は増量を希望。



■あ、今月のサンデーGXに掲載された著者氏の読み切り作品、『RAIDEN-18』を読みました。
■尊厳や畏怖を剥ぎ取った『装置としての肉体(死体)』をカスタマイズしてひたすらに『性能』を追い求め、その自己の技術をもって他者と戦い、そして『死体を使うのはいいが、材料にするために殺すのはいけない』という偏った美学によるルールを重んじる…やってる事はえげつないのに、倫理に背反する事への罪悪感を拭ったそこにあるのは、ただひたすらに底の抜けた無邪気さ。
そんな、大会(だったか武闘会だったか)に参加している科学者(だかネクロマンサーだか)達のやりとりや姿勢は、ロボコン(<コンテストの方ね)に参加する学生のような、いっそ爽やかなノリを連想させるよなぁとか。
■あと、死体のバラけ方が何かを思い出すなぁと思ったら、唐沢なをきのマンガでしたよ。それこそ『ホスピタル』や『BURAIKEN』なんかのアレ<そいやこの2作品に出てくる死体にも、やはり尊厳や畏怖はなかったなぁとか。まぁ、唐沢マンガの場合は、生きている人間にも往々にして『尊厳』は与えられていませんが(笑)
■ネタになる対象物に対し、(ソレが実のあるモノでもないモノでも)過剰に意味を付与する事で生じる笑いと、逆に既存として内包されている意味をどんどん削ぎ落とす事で見えてくる笑いとがあるよなぁ…とか、ふと思いついたり。
でも例によって、面倒なのでこの話は掘り下げませんが(そして遁走)