2005/7/21

毒味役 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

毒味役 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

『その日は、明日かもしれない!あるいは明後日かも。あるいはその次の日かも。くそっ!どの食事もそれが最後の食事になるかもしれないのだ。』
ラソン直後の心電図のようにアップダウンが激しい、領主の毒味役を任ぜられたある農夫の半生。彼が必死に娘を守り育てようとする様とその結果を見ていると、『プリンセスメーカー』の失敗プレイを眺めているようで、気付くと虚ろな目の生暖かい笑顔に(笑)
名ばかりを唱えられる作中の『実体なき神』は、もしいるとするならば、それらの様子をさぞかし面白がって眺めていた事であろうかと。読者がそうであるように。