06/2/18

蒼のサンクトゥス 3 (ヤングジャンプコミックス)
■蒼のサンクトゥス 3巻/やまむらはじめ/集英社
連続する危機的状況に際して及ばぬ自らの力量を恥じ、時に関わる人々と摩擦を生じさせながら、それでも少しづつ成長していく治基。
未知なる存在の干渉により意思を侵され、だが心許す人々との絆を胸に『人の世界』に留まろうと抗う日奈。
生活の糧を、あるいは行く先も知れぬ夢の指標を求め、命を脅かす程の危険を対価として…未知なる存在が支配する海域<A-NEST>へと向かう若き『採掘屋』達は、莫大な資源と利権を巡り暗躍する自国と他国、そして日奈を求める<A-NEST>からの使者が織りなす争いへと巻き込まれてゆく。
しっかり者のやしほが、『庇護』と『消失への恐れ』の狭間に生まれた恋の予感に戸惑う様がかわいいですよ。いつ、どんな風に、自分の気持ちが何なのかに気付くのかなぁとドキワクです。
あれだけ治基を敵視していた静蘭が、共に実地で危難を乗り越えたことで、治基に対して理解や共感を示した行動なんかもいいなぁと。
少年少女のひたむきさと成長。大人達の(『大人』という言葉に抱く美化された理想には則さない)挙動や逡巡。未だ謎多き物語が、そんな登場人物達をどこへと運んでいくのか、今後の展開が楽しみです。



カッパの飼い方 6 (ヤングジャンプコミックス)■カッパの飼い方 6巻/石川優吾/集英社
かぁたんが『私』の家に来てはや1年。少し大きくなったかぁたんは、だがまだまだ天真爛漫に平凡な毎日をエンジョイ中。
一方その頃、故郷で飼われているカータンが、母のウッカリから一人で『私』のいる東京へと上京しようとして旅立っていた。
かぁたんのほのぼの日常もいいのですが、今巻注目はカータンの一人旅(しかも行方不明気味)。老いてもなお純真なカータンの奮闘には、何やら切ないものが胸にこみ上げてきます。
『カータンと少年』における「拾うとか捨てるとかそういうんじゃないのにねぇ」という大人びた、でも子供にしか言えないのかもなぁと思うような台詞が印象的でした。