06/4/2

PLUTO (3) (ビッグコミック)■PLUTO 3巻/浦沢直樹×手塚治虫/小学館
猟奇殺人を追うゲジヒトに迫るロボット排斥団体の策謀。破壊されたブランドの復讐へと臨もうとするヘラクレスを押しとどめに現れた、7体目の『最強ロボット』エプシロン。
解決が遠いまま状況だけが進行していく舞台の隅で、記憶を失い怯えるロボットと出逢ったウラン…そして、事件の鍵を握るアブラー博士の登場。
誰よりも『恐怖』に敏感なのに、自身は『恐怖』を感じて(体験的に理解して)いないように見えるウランだけが、恐れと絶望に閉じられたプルートゥに寄り添うことができたことに、「知ることではなく、知らないが故の優しさが尊い時もあるのだろうなぁ」と、ぼんやりと思ったり。
アトムに(おそらくは身体的な特徴に限った判断ではなく)「人間かロボットか分からなかった」と称されたアブラー博士は、ロビーが目撃した『ビルの谷間を飛ぶ人間』と関連があるのか?
事件と密接な関わりを持つプルートゥの存在の意味とアブラー博士の目的は?
事件の犯人が、ボラー調査団と最強のロボットを狙う理由は何なのか?
発見されなかった『大量破壊ロボット』ボラーと、それを作成したというゴジ博士は実在するのか?
相互が繋がり合いながら、いまだ拡散する一方ので収束の見えない謎の連鎖が綴る、進化を続けるロボットと人との物語。
あまりにも人に近づきすぎたロボットたちは人間を…そしてその優れたロボットたちと共存、あるいは支配しようという人間たちは、互いをどこへと誘うのか。
まだまだ目の離せない注目作です。



ブロッケンブラッド (ヤングキングコミックス)■ブロッケンブラッド/塩野干支郎次/少年画報社
魔女を望んだ一人の練金魔術師の夢によって生み出された、人工魔女の血脈…それが『ブロッケンブラッド』。
ごく普通の高校生男子だが、ドイツ系三世で超美少女のルックスを持つ(でもこの段階で『普通』じゃないよな)健一は、この呪われた(笑)『ブロッケンの血族』であったが故に、何の因果か『魔女っ子ヒロイン』として戦うハメに陥っていた。
しかも「『ステキな制服お姉さんに変身して事件解決』は、魔法のプリンセスの基本でしょ?」とかいう叔母の趣味溢れる方針により、毎回女装での潜入捜査を強いられていた…健一の明日はどっちだ?
…とかいう、素敵バカテイスト溢れる『魔女っ子バトルコメディ』<いや『娘』じゃないけども
『女装少年萌え』の属性は持っていない自分ですが、作画のあまりの可愛さにはちょっと陥落しそうになり、うっかりまた怪しい属性を獲得する所でした。幸いその域までには至りませんでしたが…あ〜ぶ〜ね〜!(真顔で)
面白かったので是非続編を描いて頂きたいと思ったのですが、あまり読んでいると自分に新たな世界が開拓されてしまいそうなので、コレ(単巻刊行)で良かったのかなぁと思い直しました(^^;;)
健一は、『魔法少女に憧れながら、何故か変身ヒーローに』な、トランセイザー(@美川べるの)の心愛ちゃんと逆の立場なら良かったのにねぇ(笑)
あと、コレを読みながら篠房六郎の、『何の因果かオッサンが魔法少女に変身』な話(『家政婦が黙殺』に収録)を思い出し、本棚から引っ張り出して読み返してしまいました。
まぁ…確かに『オッサンが魔法少女』よりは、『美少年が魔法少女』の方がマシだよな…<多分、人はこのように、消去法の二択によって洗脳されていくのです<何だこの強引なオチ