06/6/26

Landreaall 8 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)■Landreaall 8巻/おがきちか/一迅社
アカデミー屈指の大イベント『銀蹄夜』。失態の代償として監督生のハルから驚愕の依頼をされる竜胆。アンちゃんの機転でカイルのエスコートを受けることになったイオン。そしてDXは池のほとりで、泣きながら汚れたドレスを洗う少女ロロットと出逢う。
それぞれの事情を抱えて迎えた絢爛たる舞踏会で展開される、小さくも印象深い出来事と顛末。そしてその後のささやかな疾病騒動を発端に明らかとなった、竜胆が秘めた『事情』をえがくエピソードを収録。
相変わらずストーリーにかかわる重要な出来事から、登場人物のキャラクター性をより深めるためのちょっとしたエピソードまで、随所に気が配られた伏線や小ネタの配置とその回収が洒落ているよなぁと感服。たわいないやりとりもふくめた全てが見所な上、笑いのポイントまで押さえていてスキがねぇ。
あーもーホントに大好きですよこの作品。もし「3作だけ残して蔵書を処分しろ」と言われても、きっとこの作品は迷いなく残しますよ。
今巻のフェイバリットは幕間である39話の『うやむや』でしたが、その辺りも含めた色々な意味で、巻を通して竜胆が主人公だったような気がします。それから五十四さん。
五十四さんがどんな『役割』を担っていたのかはまだ明確ではありませんが、彼女が使命と自らの感情との狭間でどれだけ苦しんでいたか。そしてそれらすべてを理解しながら(だが『納得』とまでは割り切れなくもありながら)微笑む竜胆だとか…。
一人で佇む竜胆に寄り添うDXとイオンと六甲のショットを見たら、様々な感情が心に迫ってきて唇を噛みしめてしまいました。寂しいけれど温かい。けれど温もりを感じればまた寂しい。それでも、決して『ひとり』じゃないんだよ?
巻末のミセス・ケリーのマンガも最高でした。この作品に出てくる人たちは、どうして誰も彼もがこうも背に一本、ふっとい芯が通っているかなぁ。



マンホール 3 (ヤングガンガンコミックス)■マンホール 3巻/筒井哲也/スクウェア・エニックス
フィラリア感染を利用して犯罪者の粛正を目論む犯人の素性が、ついに明らかになった。凄腕ハッカーの助けを借りた溝口と井上は犯人の実体へと迫るが、恐ろしいフィラリアの脅威はふたりの刑事の身にも迫っていた。
バイオホラーマンガ完結。1、2巻程刺激的な描写やスリル感はないものの、事件の背景が明らかになっていくと共に切迫する状況には緊迫感が満点でした。
リセット (ヤングガンガンコミックス)加えて『リセット』に登場した喜多嶋まで参戦する、著者氏のファンには熱い展開で。欲を言えば喜多嶋にはもう少し活躍して欲しかったのですが、でもそうすると焦点がボヤけるしなぁ…彼には、そして今作のふたりにも、次回作での再登場を期待したいです。

もっそれ (3) (ウィングス・コミックス)■もっそれ 3巻/南国ばなな/新書館
大病院の息子で美少年だが、致命的に耳が腐っている上に頭のネジというネジが飛んでいる千歳。料理上手でルックスは悪くないが、人として損なってはならない大切な節度が沸騰蒸発している暴走核融合炉で女王様崇拝者な羽田。この気の狂った2人に挟まれたホモの人だが、ソレ以外はごく真っ当な常識感覚を持つ(が故にいわれのない苦労を一身に背負う)屋久島…の軽犯罪スレスレの愉快な日常をえがく最高バカマンガもついに完結。(すまん、微妙に2巻の感想からコピペ<またか)
で、コレまたコピペ的コメントなのですが、バカマンガスキー同志な野郎共にぜひ一読して頂きたい作品ですよ。絵が少女漫画的(というかボーイズラブ的?)なので手に取るのに勇気が要りそうですが、マジで笑えるから!(この麗しい系の絵自体がもうネタにしか思えないし)
さて本編。「日本を押して移動させればハワイへ歩いて行けるようになる」とのたまわった羽田を鼻で笑った次のページで笑顔が凍り付きました。ゴメン、自分も20歳近くまで『北海道と沖縄は、パスポートがないと(飛行機で)行けない』と思っていました(実話)…所詮は己も『あほも』の仲間か orz
最終回は、馬鹿なのに素晴らしい男気を見せた羽田にちょっと惚れましたよ…いやでも相手が小鳥ちゃんだったら、ソレ以外は全部捨てても当然だよな!(爽やかな笑顔で断言)
ホモの常識苦労人(笑)屋久島も幸せを掴んだっぽく大団円…だが、将来千歳が医者になったとしたら、コイツにだけは執刀されたくねぇなと思いました。つーか、あの耳腐れ具合が治らないと、本気で医療事故が多発しそうだし(^^;;)
著者氏にはぜひまたこの作品のようなノリのバカマンガを描いて頂きたいです。