06/7/2

ぼくらの 5 (IKKI COMIX)■ぼくらの 5巻/鬼頭莫宏/小学館
負けても逃げても地球滅亡、だが勝っても操縦者の命は失われる。
残酷な条件を課せられ、それでもそれぞれの事情を、譲れない意思を、愛する者へと託す願いを抱えながら巨大ロボットに乗って戦い、ひとりまたひとりと死んでゆく仲間たち。
…でも、『ぼくら』は一体、何と戦っているのだろうか?
今まで伏せられてきた『敵』の正体がついに明らかに。語り手である少年少女の側に感情移入していて、無意識に『敵』を無機的な攻撃者として読んでいたことに、今更ながら気付かされました。そうだよな〜、この著者氏の作品だと考えると、この展開は必然だったよなぁ(^^;;)
今巻、操縦者として初めてその真実を目の当たりにした万記が下した決断…幸か不幸か彼女はその呵責に苛まれる前に命を落としたものの、始終を目撃し、そして遠からず自らも決断せねばならない残された搭乗者たちがどのような葛藤を見せるのか。
その問題に向かい合う、次の搭乗者である洋介が思う『ぼくらのこの地球は、継続に足る存在なんだろうか?』という、読者も同じように感じるこの問いに、彼がどのような答えを出すのか。続巻の刊行が待ち遠しいです。