クラウン(2) ブレイドコミックス/中西達郎/マッグガーデン

クラウン(2) ブレイドコミックス平凡な学生として過ごしていたのに突如、次代の王たる皇爵として祭り上げられて成り行きのままに大戦の引き金を引いてしまった剣太郎。
赴いた戦地で自軍・『剣皇騎士団』の三獣騎は圧倒的戦力により敵軍を蹂躙していたが、その後方、気付けば一人きりで無防備に取り残されていた剣太郎に刺客の魔手が迫る。
表紙も内容も翼祭りな第2巻。剣太郎とのいわくありげな過去や執着を匂わせたりして、正統派ヒロインの心や、同級生ヒロインの優輝に並び、彼女もまたヒロインポジションなのかなと?
年表により今後の造反(?)が確定している点も気になります。秘めた恋心に遵守するためであれ、叶わぬ恋情による絶望から至るのであれ、『相手を思うが故の裏切り』は反逆ヒロインの基本だよね!<現段階ではただの妄想で、実際の理由がどうなるのかは謎ですが。大体『恋』かどうかすら疑わしいし。
その辺りなども含めて全体的に、『希望』ではなく『不安』を匂わせる話運びが、読み手の興味を惹く手段として上手く機能しているなぁと改めて思いました。
狂之助の企みと翼が抱く危惧の先にある、剣太郎の『選ばれし主人公』としての資質が何なのか。彼を呑み込み押し流す奔流の行く末に注目しております。