夏目友人帳 第3巻 (花とゆめCOMICS)/緑川ゆき/白泉社

夏目友人帳 第3巻 (花とゆめCOMICS)祖母が残したたったひとつの遺品は、妖怪を縛る強い力を持つ契約書である『友人帳』。それを受け継いだ夏目は自称『用心棒』であるにゃんこ先生と共に、妖怪たちと関わる日々を送っている。
力や自由、あるいは願いの成就。今日も人ならざるものたちは何かを求め、夏目の元を訪れる。
視えないはずのものが見えてしまうことで傷つき、人であれ妖怪であれ『他者』と距離を置いてきた夏目が、『友人帳』を介してそれらと積極的に関わることで気持ちを動かしてゆく過程を見続けて3巻目。
けれども繋がりが増え、深くなることで見えてくるものは、優しく暖かいものばかりではなく、堅いつぼみのようにゆるりと開きつつある夏目の心が、花開けないほど傷つけられてしまうのではないかと心配してしまいます。
けれども同時に、その寄る辺ない儚さの中にある強さや美しさに、とても惹き付けられるのです。
夏目の成長と共に交友も広がってきて、今巻はその辺りが上手くエピソードに繋がってきたのが面白かったです。悲しい別れも多い作品ですが、残る絆も少なくないので、夏目にはそれを大事に頑張っていって欲しいです。