とめはねっ！ 1巻／河合克敏／小学館

小柄で地味な『らしくない帰国子女』の大江縁（内気）と、全日本規模で有望な柔道少女の望月結紀（勝ち気）。ただの『同級生』でしかないふたりが、部員不足により廃部の危機を迎えた書道部の先輩（海千山千）の謀略によって『同じ釜の飯を食う』仲に!?
鈴里高校書道部の明日はどっちだ!?
書道・柔道・恋愛・青春。多種多様な『道』が渾然一体となり魅力炸裂な青春コメディ。
とにかく各キャラの魅力が尋常ではないですよ。メインの大江と望月を翻弄する、元ヤン（？）実力者の加茂先輩に、 口八丁魅惑のフェロモン三輪先輩、『天使の姉・悪魔の妹』な双子の日野姉妹、善人の皮を被りつつ野心深そうな勅使河原。どこにもいそうでそうでもなさそな、誰も彼もが味わい深い人々です。
そんなキャラクターやシチュエーションで笑えるコメディとしてだけではなく、青春物語としても味わい深い一級品。加えて通常あまり興味を抱かない『書道』というジャンルに主人公達だけでなく読み手の関心を引き込んでゆく語り口。
全くの素人である大江と望月の活躍に感情移入しつつ、彼らが向かい合う『書道』に対しても興味を惹かれます。
「…そいや小6までは自分も書道をやっていたはずなのだがなぁ？」とふと思い出しました。しかしあまり記憶に残っていないなぁ（^^;;）
ともあれオモロ愉快な少年少女の青春模様に釘付けになりました。今後の成り行きに大期待しております。