デーモン聖典 10巻/樹なつみ/白泉社

デーモン聖典 第10巻 (花とゆめCOMICS)SMICから脱出しようとするりな達を急襲した赤龍。その爪からりなを守ろうとしたミカは深手を負って姿を消し、りなは再びとらわれの身となってしまう。
ヘルムートとの接見から著しく体調を崩す忍。ひとつの覚悟をもってSMICへと戻る閨人。そしてもなが願う『りなの奪還』を叶えるべく単身SMICへと乗り込んだK2。
近しい人々がみな自分を離れた時…頼る者なくただ一人となり初めて知る『孤独』と『決意』が、『力無き少女』であったもなに覚悟と行動を促した。
『いよいよクライマックスへのカウントダウン』という位置らしい物語ですが、終わりまではもう少し長そうな?
赤龍の正体も、『=ヘルムート』という単純な図式ではなさそうで、以降の展開が興味深くあります。
大人へと変化しつつあるK2ともなの関係に加え、極限状況からの試練により成長しつつあるもなの心情の動きにも要注目。
ストーリー上のどんでん返しもそうですが、それ以上に著者氏のえがく作品で魅力的なのは、困難に立ち向かうために進化してゆく人々の生き様なのですよな。