フラワー・オブ・ライフ 4巻/よしながふみ/新書館

フラワー・オブ・ライフ (4) (ウィングス・コミックス)初めて作った同人誌を売り勢いに乗る春太郎と翔太は、商業誌への持ち込みを試みるが、プロの世界はそう甘くない。
仰天カップルの真島とシゲはそれなりに上手く行っていたものの、不倫相手の小柳から復縁を迫られたシゲは心惑う。
彼氏と別れた陣内と、彼氏ができた磯西。相沢から転校すると告げられて消沈する山根。
『人類の命運』など背負わずとも、日常のささいな出来事から少年少女の『世界』は大きく揺れる。
前向きひたむきの高校生日記、完結。春太郎たちの成長物語として、そして愉快な青春群像劇としても、過不足のない素敵な作品でした。
甘受している『今』という時間が続くことには、実は何の約束もない。本当に『明日』があるのかは、それが誰であっても決して確実とは言えない。
けれど願いや希望を胸にして過ごす精一杯の日々によって連なる生活、そしてそれが織り上げる人生は、きっと誰の心の中にも愛おしく輝くのだろう。
フラワー・オブ・ライフ』…いかに美しい花であろうと、花は必ず枯れて散る。
だが季節が巡るたびに次の花は開き、それまた何度でも咲き誇るだろう。繰り返し花咲ける、鮮やかなる人生…彼らの未来に、幸多からんことを願います。