黒博物館 スプリンガルド/藤田和日郎/講談社

黒博物館 スプリンガルド (モーニング KC)19世紀のロンドンに、奇声を上げ長い手足で中空を跳ねる怪人が現れた。その名は『バネ足ジャック』。
だが、女性の衣服を切り裂き驚かせるだけの奇行を繰り返した謎の怪人は、何故か半年後にはふつりと姿を消してしまった。
しかしその3年後…『バネ足ジャック』は恐るべき連続殺人鬼として帰ってきた。事件を追う豪傑警部は、当時ジャックの正体だと目された放蕩貴族の元を訪れたが…。
ともすればコミカルな『バネ足ジャック』のデザインですが、ひとたびアクションとなれば猛烈に格好良く魅せるのは著者氏流石の力量。そして胸のすく人と人の物語も相変わらずの熱さと心地よさで、後日談も含めてステキ爽やかにまとまった1作です。
『バネ足ジャック』の活躍はこれで終わっても十分だと思うのですが、魅力的な学芸員女史(名前が知りたいなぁ)を語り部とした、『黒博物館』の他の展示物にまつわる話もまだまだ読みたいものです。
邪眼は月輪に飛ぶ』もそうでしたが、以降も単巻でのシリーズ続編刊行されぬものかと期待&熱望しております。