きのう何食べた？ 1巻／よしながふみ／講談社

クールで料理上手な弁護士の筧と、鷹揚だけど少々やきもち焼きな美容師の矢吹。同居するふたりはゲイな恋人たち。それゆえの悩みにそれゆえのアクシデント。けれどもそれゆえの喜びに満ちた日々が、筧の作るもんのすご〜〜〜〜〜く美味そうな料理と共にコミカルな味付けで語られる、ささやかな愛おしさに満ちた作品。
メインのふたりだけでなく、凡庸に見えて個性的な人々の描写が面白いです。そして何よりも作中の料理がもうとてつもなく美味そうで、夜中に空きっ腹で酒を飲みながら読んでいると、もう辛抱たまらんカンジですよ。
何か悲しかったりしんどかったりしても、1日の終わりに美味しいご飯を食べられたら幸せ。それが大切な人と一緒だったらばなおのこと。
そんなシンプルで些細な、だけど究極の幸せのかたちを軽快な語り口でえがく作品が、この先どんな物語を見せてくれるのか。そして次なる美味しそうな料理は何なのか。続巻を楽しみにしております。あー、腹減った。