おやすみプンプン 2巻/浅野にいお/小学館

おやすみプンプン 2 (ヤングサンデーコミックス)怪しいビデオに映った男が残したという死体とお金…『お宝』を探しに廃工場へとやってきたプンプンたちの、小さいけれど危険な『冒険』の結末は?
『あの時は大変だったけれど、今となってはいい想い出』とか言いますが、苦しみを伴う出来事が美しく見えたり面白く笑えるようになるまでには、それなりの年月が必要だったりします。
年月がもたらすものは事象の忘却だったり、価値観の成熟(転換)だったりと様々ですが、傷口を埋めるには何らかの代償行為だけでなく、それを見つめる『自我』にもまた、何層ものフィルターを通す必要があるのではなかろうかと。
それそのものではなくても、いつか自分が置き去ってきたものにどこか似た『痛み』。
この作品を読む時に感じるのは、もう痕さえ見えなくなった古傷がうずくようなむずがゆさで、それが今はもう存在を薄くし『想い出』と化した、けれど未だに自分と不可分である『過去の出来事』を想起させ、この心をざわめかせるのです。
うーん、散漫。