連載分感想(252話)

■ UP時はもう木曜朝なので、今週の252話感想。
■ ロデム化したマルコと覚醒カラカル。人の枠組みを大きく逸脱して猛威を振るう、二大怪獣による帝国タワー頂上大決戦の開幕。
「こいつがあの…廃ビルの悪魔…」という台詞で、「そいやレオはロデムとは初対面なのだったな」と思い。
■ Q太郎の仮想人格を翁面(神の面)(=マルコの精神世界に於ける神的な存在としての暗喩?)として描写し、それを被った『支配されたマルコ』をロデムとして表現したのは妙手だなぁと感心。いずれマルコとして正気に返る時、面が外れたり割れたりするのでしょうかねぇ?
■ ナイフを探すロデムと、その姿につられたようにスポークを探し始めるカラカル。両者の妙にあどけないキョロキョロ具合に笑わされた所から、静かながらも拮抗する剛力漲る掴み合い…そして無比の暴が質量をスピードに乗せて応酬される死闘へ。
目を離す隙も息つく間も与えぬ迫力溢れる展開には魅せられました。
■ 悪魔というより悪鬼の如きロデムの猛攻に、折れて肉と皮を突き破った肘の骨すらも武器として敵を滅せんとするカラカル。垂直位置にある硝子窓を足場にそれを破壊しつつ激突する両者のバトルは、スナイパー氏でなくとも観測者側の正気を疑うデタラメ具合ですが、そのデタラメさこそがこの圧倒的な悪鬼羅刹どものぶつかり合いを語るに相応しいものだよなと。



■ ちうか(いやまー過去に作中で心霊風味なエピソードは諸々ありましたが)、現実的に考えると実体としてのQ太郎は既に失われて(死んで)いるので、今なおマルコを『ロデム』として支配している『それ』は、結局他ならぬマルコの中にある精神の働きによる産物なワケですよな。
■ …とか思うと、一時は「少しづつ克服出来てきているのだろうかなぁ?」とも思えたロデム(そしてQ太郎)という『存在』が、未だにこう存在感強く顕現している様を見ると、マルコの背負った傷や罪の重さについて考えざるを得ず…何というか茫漠と鬱い気分に捕らわれたりしますよなぁ。
■ また、「わざわざ面を取って『素顔』を隠したことも、抗えぬ衝動にそれでも罪悪感を覚えた『マルコ』としての、せめてもの抵抗(あるいは自意識を守るための精一杯の防衛衝動)だったのだろうかなぁ…」とか考えるとなぁ…(遠い目)

■ しかしぶっちゃけ、『物語』として見た時にこの怪獣大決戦について最も興味深いのは、過程たる戦闘そのものではなくその決着時の様相と状態なので、バトルは程々にコンパクトにまとめて頂けるといいなと希望。
■ 同様の視点では逆に、階下の賭郎vs密葬課の方が、戦闘内容そのものが物語の面白味に直結しそうな気がしたりするのですが、その辺への自己内認識構造が上手いこと文章化できぬよなと(再び遠い目)