連載分感想(254話)

■ UP時はもう木曜朝なので、今週の254話感想。
■ 痛みも恐怖も抱かず、殺戮の愉悦に躍る悪鬼の如き存在であった(ように思われていた)ロデム。
しかし狂気で彫り上げられたその『悪鬼の面』が砕かれた時、その下から現れたのは主人格であるマルコではなく、痛みに怯えて暴力を厭う…惨めで無様で哀れな『ロデム』のままの姿でした。
■ 心をなぶる痛みに膝を折った弱い自分と、その弱い自分の痛みを押しつけられて狂った自分。かつて生きるために割って、『ふたつ』になった自分の姿…。
けれど恵まれた『出逢い』という幸運をきっかけに、過ごしてきた全ての残酷な時間すらも血肉に代えられるほど鍛えられたマルコは、ようやく『ふたつのどちらも自分である』という事実を受け容れるに足る強さを手に入れた。



■ 相克し合う命題と反命題が、統合されて総合命題へと導かれる。
哲学概念の型を借り、ひとつの存在の『Aufheben』が今、ここに成された。
■ 体や心を襲う『痛み』は、過去現在未来に渡り常にそこかしこにあり、『人』として生き続けようとするならば、それらを避け続けられる者など居はしない。
だからこそ『痛みを感じない』者ではなく、痛みを知りそれに耐え、越えゆく者こそが真の強者なのだと、マルコの姿が語ってくれたように思います。
■ …て、うぉ〜う!(色々な意味で)酔って一気に書いたらゴイス厨二病ポエムくさい文章に(^^;;)
まーぶっちゃけ、現実での辛酸たる事象ではそう単純な言葉に収まらぬケースの方が圧倒的に多いワケですが、それでもマルコの姿を通じてそういう『理想』を体現して見せて頂けたことには、何というかこ〜、自分の心の弱い部分を撫で慰められる気持ちになりましたよ。

■ とかいう所に加えてですね…。
■ 片牙を失い満身創痍の鞍馬組が勝機を掴むために、レオの理性は冷徹非情な判断を成す。けれど生死を分ける刹那、彼の感情は…否、むしろ『レオの真なる理性』は、見殺しという酷薄なる選択を自身に許さなかった。
…とかいうのはですね…あああアンタぁ本物の漢(おとこ)ですよ!!!
■ 更に、そんなレオの瞬時の迷いやその理由も察した上で、『入力にはマルコの網膜が必要』という利権のためこそだと嘯きながら(まだ捨隈の網膜があるので、マルコは必須存在ではないというのに)救命に助力する蘭子姐さん…うぁ… 鞍馬組最高ぉぉぉッ!!! (T▽T)<感涙

■ てなワケで、ようやく全て(あるいは統べて)の自分を取り戻したマルコと、圧倒的衝撃&痛覚によって正気に返ったカラカルの大落下で幕引きとなった(…よな、多分?後に戦後処理エピソードはあるでしょうが?)『帝国タワー怪獣大決戦』。
階下で同時進行中な立会人vs密葬課のバトルはどうなるのか。
大落下した(まーでも死なぬよなwww)ふたりの乱入はあり得るのか。
先生ならば更なるサプライズを用意して下さるものと信じ、以降展開に更なるドキワク感が募ります。
■ やー、でもカラカル。「あんな所で正気に返って…スゲぇビビったろうなぁ」とか思うと、何だか微妙な笑いが止められません。<酒で記憶を失った経験を持つ人にならば、この気持ちが理解頂けるのではなかろうかと?<いやマジで認識記憶が『映画フィルムの誤編集』みたいな流れになりますよねアレ…(遠い目)