連載分感想(262話)

■ UP時はもう木曜朝なので、今週の262話感想。
■ いや…「マルコは入力していない(少なくとも[13]では入力していない)だろうし、斑目さんから「試してもいい」と言われた蘭子も(マルコを使って)入力していないだろう」…と、当たり前のように思って(そしてその自己内前提のままその認識自体を忘却して)いたので、黒服が入力を「既に3回終わっている筈です」とか言ったのを見た瞬間に、素で「は!?」とビビりました。
エピソードがあまりに長く続いているので、途中経過やそれに対して抱いた自己認識をあらかた忘却していることに改めて気付き、アカンなぁと思った次第。



■ さておき。『暴力([8]ブラフに対するカモフラージュ行為)と弾丸(蘭子射殺)と偽りの違和感(捨隈の能力)』…に対する種明かし解説だった本編。
■ 『マルコの(斑目さんの指示による)未入力』、『空砲装填による蘭子の生存』は予測の範囲内として、『捨隈の[能力]が八百長だった』というのは考えてなかったなぁと。(ただ、勝負時の梟の様子や今回の斑目さんの口振りからすると、梟自体は意図的に八百長に絡んでいたワケではなさそうな?)
(んでカラカルは単なる観測(記録)者ではなく、仕掛け側の人員だった、と。)
■ 『[俺が何も分からなかった] → これはイカサマではなくただの八百長
…という、斑目さんが『直感』により察知した『捨隈の能力の種明かし』。
や〜正直コレを、他のキャラ(例えば梶ちゃんとか…いやソレだと比較対象にするには弱過ぎるかw)にやられたら、「ぶはは…ザケんな死ね!」と思うのでしょうが、ここに至るまでの(二十数巻に渡る)斑目さんの死闘の記録(と同時に、それらが深い思慮に裏打ちされた圧倒的な勝負勘をもって制覇されてきたという実績)を踏まえた時に、「ああ、斑目さんならばアリだわ。」という絶対的な説得力(信頼感と言い換えてもいい)が生じるのですよな。
いくつものエピソード(主人公の能力と人柄への信頼感)を丹念に積み上げて、長く続いてきた物語だからこそ説得力を生みうるロジックだよなぁコリャ。
■ …と思えば、『捨隈の能力』のオチについても、「現実的にはコレが妥当な所か」と、腑にも落ちようかと(<ああいや、別に擁護ではなく私的な得心なので、論理的に納得できない向きがあれば、それもそうかなとも思いますが)
■ で、この斑目さんによる『種明かし』に対し、蘭子が完全な理解をもって追随しているという描写(「梟の背後にいた」のコマのシンクロ具合辺りとかに顕著)がまた熱いのですよな〜!
いやもう本当に、あのお屋形様と賭郎組織全てを敵に回す『屋形越え』に勝利するためには、姐さんとレオが斑目組に入ってくれれば勝率が格段に上がると思う(というか、自分的に猛烈燃える願望展開な!)のですが。

■ で、そもそもアイデアルの要員だったという捨隈が、どのようにアイデアルに入り、そして鞍馬組の懐に潜り込んだのか。そのエピソードも気になる所です。
以下、そんな捨隈がらみのエピソードについての、ごく私的な印象記述。
(以下、とても『寝言ポエム』系の戯言なので、先に謝っておきます。)

■ 自分は今まで捨隈については特に好意も嫌悪感も抱いてはいなかったのですが、今回の蘭子との短くも印象的な『問答』を見て、彼に(一方的かつ部分的で端的な)親近感を覚えました。
自分の中にも捨隈のように『意識や知識や経験では埋められなかった穴』が、ぽっかりと開いているからです。(まぁソレは捨隈ほどの切実さでも、彼が抱いているほどの根元的な問い(そして欠落)でもなかろうのでしょうが)
■ だから自分は、「今 初めて 鞍馬組の配下になろう」と告げた捨隈の姿(在り様)を見た蘭子が感じたように、彼を『怪物』だとは思えないのです。
けれども同時に、そんな捨隈に対して蘭子(捨隈の過去や、現在の在り様を意に介しない人物)が、『嘘喰いの珠の数を当てられるのか?』と問うたこと(その態度というか姿勢)に対して、ある種の『救い』も感じるのです。
■ が…この辺りに感じる自己煩悶や葛藤について、文章としての明確な形を与える事は、自分の表現能力的にも抑圧心情的にも出来かねるなぁと。
■ なので…もはや捨隈が『物語作中で葬られざるを得ない存在』なのだとしても、出来れば斑目さんからは、せめて(佐田国の時と同じように、けれどそれとは違った意味で)捨隈に『人として』の引導を渡して欲しいなぁと願うのです。

■ ぬ〜…自分でも何ゆってるんだか分からない上に、本編筋そのものと全く関係ないごく個人的にリリカルな感想になってしまい、申し訳ないです。(^^;;)