2004/6/30

カムナガラ 7巻/やまむらはじめ少年画報社
ひたすらに続く果ても見えぬ戦いの中で、ひたかとかなたは手を伸ばしあがき続ける。振り払えぬ過去を負い、それでも現在(いま)を生きるために。
…とか何とかはともかく、天野にたぶらかされた瑞葉ちゃんが、すっかり女の貌に〜(T▽T) そしてあまりに突き抜けて格好良過ぎる鳴神先生が…ももも萌え!以前に激しく燃えで惚れ! 『ヒロインはあくまでかなた』だとする数々のエピソードを見ながらも、鳴神先生のあの存在感を見せつけられると、ソレも容易く覆されてしまうなぁと。緩やかな傾斜で進む物語の展開には、されど飽きる事なく注視しております。
フリージア 4巻/松本次郎小学館
主人公である所の叶がフリーズ状態であるため、今まで(ある種の狂人と言える)叶を追ってきた物語視点が、執行対象者であるトシオへと移るのですが、過去の経緯はいまだ謎ながら、少なくとも現在はごく真っ当な感情と論理を備えた(と見える)トシオを主軸に展開するエピソードは、この物語の過去の展開と比較すると、割合とまっとうな流れを見せているような気がするのですよな。まぁ、その是非はともかく。というか、是も非もないのがこの作品で?
…いや、この物語世界に浸かっていると、何が真っ当で、何がそうでないかの区別が付かなくなりがちなのですが…今巻だけを切り取ると、比較的に共感も反感も汎用的な感覚で眺められるなぁとか…う〜ん、この文章自体がまとまり欠く混沌さでダメだ(遁走)
鬼頭莫宏作品集 残暑/鬼頭莫宏小学館
1、2話は『ヴァンデミエールの翼』の前。以降は『なるたる』の連載の合間に発表された作品…などと考えて、各話の作風を眺めながら作品の変遷や、時間の流れに伴う多様性を考えてみたものの、あまり突っ込んだ分析は出来ず。
日常にしろ、非日常にしろ、スケールの大小を問わず、著者氏の作品には常に『喪失』と『試練』と『変化』とが設けられており、ソレをマクロないしミクロな視点で(そしてマクロかつミクロな視点で)、その各々に対する比重を変えながら表現する事で、物語の性質を巧みに差分化しているような気が…アレ、何言ってんだ自分?
すみません、言い訳なのですが…ちょっと今、(酒を)飲み過ぎているような…う〜、思考が断片化する…。
あ〜、とりあえず私的には1、2、5、6話の、『ざっと見は和むいい話だが、行間(というかコマ間)を読むとかなり泣けてくる』系も、3、4、7話のセンシティブ極まりなくいたたまれない気持ちになる話も好きなのです…って、全部好きなんじゃん、ソレ(^^;;)
「やはり鬼頭氏の作品は、読み切り(ないし読み切り連作)が好きだなぁ」と再認識させられた1冊でした<その点でもヴァンデミエールが一番好きかもなぁ…
ぼくらの 1巻/鬼頭莫宏小学館
…で、上記著者氏による現在連載中の長編(…になるのか中編になるのかがまだ謎な連載具合)の新作。
夏の臨海学校に集った15人の少年少女は、過疎が進む海沿いの村の洞窟で正体の知れぬ人物にいざなわれ、ある『ゲーム』を始める事を決める。ささいな好奇心と、それぞれが内に秘めた思いによって。だが幼い彼らは、その『ゲーム』が何を意味し、自分達に何をもたらすかをまだ知らなかった。
そう、どこかで見た物語のように。あるいは僕らが望むように。世界は決して僕らに優しくも、都合よくも在りはしないのだと…。
…とか?(<適当だなぁ) 1巻ではまだ基礎設定とファーストアクションを見せただけなのですが、明かされていない謎や今後の展開には激しく心惹かれます。とりあえず『なるたる』のように、観念的な方向へ「受けとめられる者だけ受け取って下さい」といった放り方のオチにはならぬ事を祈りながら続巻を待ちたいと思います<いや、まぁ『なるたる』のアレは、アレでもいいかとは思うのですが、ソレを繰り返されるのもちょっとどうかと(^^;;)