2004/10/23

蟲師 5巻/漆原友紀講談社
ヒトと蟲との世をつなぐ『蟲師』ギンコが見る、時に残酷に、だが鮮やかな両者の営みの紀行録。
今巻のイチオシは『篝野行』。ミステリーの要素も孕んだ危機感溢れる展開から、一転二転したその顛末と落とし所まで、とても完成された一編だと感じました。後は『沖つ宮』の幻想的な雰囲気と、深く余韻を残す最後のシーンも良かったです。
蟲師』は時間をかけて読んで、時間が経ったらまた読み返したくなる。そんな作品です。
バカ姉弟 1〜3巻/安達哲講談社
バカ姉弟。推定3歳。豊島区巣鴨在住。どこにでもいそうな、どこかにいそうな、ちょっと不思議でものすごくかわいい姉弟。これはそんなふたりのゆったりとした日常の中で、キラキラと輝く出来事の数々を集めた本です。
前々から気になっていたモノの、つい買いそびれて2年も経ってしまったのですが、同僚から1巻を譲って貰ったのを読んだらやっぱりジャストミートで、あわてて3巻まで買ってニコニコと読んでしまいました。
どんな人にでも『優しくしたい存在』というのがひとつはあるのではないかと思うのですが、何かそういう暖かい気持ちを形にしたら、この姉弟になるのではないかなぁとか思ったりします。
姉弟を取り巻く人達はふたりの事が大好きで、姉弟に対して自分の価値観から見て良かれと思う事を施そうとするのですが、姉弟には姉弟の価値観があるので、しばしば両者は噛み合わずにガッカリしたりもするワケです。でも姉弟は相手の優しい気持ちもちゃんと分かっていてくれて、ダイレクトではないにしろ、ちゃんとソレに応えてくれるのです。
そんな姉弟や、姉弟を取り巻く人達を見ていると、「明日も頑張ろうかね」という気になれたりします。ありがとう姉弟