2004/10/27

GUNSLINGER GIRL 4巻/相田裕メディアワークス
激しく傷つき損なわれた生身の不自由な体を、その身の自由や辛酸と言うには生ぬるい忌まわしい記憶だけでなく、人を愛し、人に愛された記憶までも含めて否応なく引き替えとされて、自在に動く義体を纏い闘って生きる事を強いられた少女達。自己の存在意義を疑う余地もなく、彼女たちは『今』を得るために銃を手にして戦い続ける。
傷を負いメンテナンスを受ける度に失われ行く彼女たちの記憶。それでも、記憶の明確な形は失われても、その心に刻まれた『暖かい記憶』の残滓に揺り動かされる彼女たちの姿には、悲しみと同時に『永遠』を思わせる光を感じずにはおられません。
自己の存在そのものすらをジョゼへの、そしてジョゼからの愛情で支えようとするヘンリエッタ。誰もが自覚すらせず享受している身体自由の恩恵の尊さを知り、与えられたその『恩恵』のためには全てをなげうつ覚悟を持ち、それを実践するリコ。『仕事』に対する意識やその成果をプロフェッショナルの有り様とし、それに対するプライドを自己存在の礎にせんとするトリエラ。かけがえのない『兄弟』を失いながらも自己の価値観を立脚させ、その哲学によるライフサイクルで自己を律する事で己の存在を維持し、限られた人生を最大限に謳歌しようとするクラエス
彼女らの営みの終わりが、どうか彼女らの生き方を裏切らぬモノでありますように。
ピルグリム・イェーガー 4巻/作:冲方丁・画:伊藤真美
新刊を読む頃には既刊の設定を忘却している作品…面白いのですが、設定があまりにも入り組みすぎておりますよ(^^;;)
完結まではその巻ごとの見所を堪能しつつ、完結の際に一気に読み込もうかと。とりあえずは、『砕かれる銀貨』が誰になるのかが焦点で。誰も彼もが魅力的なキャラクターなので、どの銀貨が失われても悲しい気持ちになりそうですが。