2004/10/29

完全版 真夏の王国 1、2巻/喜多尚江白泉社
世界各国が争い分裂し、以前とは異なる国々が乱立して戦乱の世となった近未来、ある天才学者が『DEMIGOD』という装置を生み出した。軍隊はその装置を『究極兵器』として求めたが、博士は死に、その装置の機能は博士の娘である少女の声によって封印されていた。
装置を起動する鍵として追われ、叔父と旅をしながら逃げていた少女は、立ち寄った町でひとりの少年と出会う。父を亡くして言葉を失った少女に少年は激しく惹かれるが、ふたりはすれ違うように離ればなれとなる。
その後ふたりは再会するも、それもつかの間に、少女は『DEMIGOD』を所有する軍によって連れ去られてしまうのだった。
1993年に1巻が刊行され、1998年に3巻が刊行されて以降はぷっつりと途絶えてしまった物語が、コミックス未収録分と描き下ろしを加えた完全版としてようやくリリースされました。この作品以降も著者氏の本を読みながら、それでも忘れられずにいた作品がようやく完結しました。待ってて良かったなぁ(T▽T)
ハードな設定の割に、実は舞台描写や展開などはかなりアバウトな作品なのですが、スケールの大きい『ボーイ・ミーツ・ガールのおとぎ話』として、少年少女達の在り様にはすごく心惹かれました。今、こうしてその物語を読み終える事ができ、とても嬉しく思います。
…しかし今見ても、千世はやっぱりかわいいなぁ(萌)