2004/1/25

かの人や月 2巻/いくえみ綾集英社
7人+犬猫2匹の大家族で暮らす羽上家。そこの3兄妹を軸に、彼らや家族と関わる人々の日常と恋模様をえがいた短編連作集です。
バーンと大きな事件が起こって2人の気持ちが急接近!…などという劇的さではなく、好きな気持ちが噛み合わずにふいっとすれ違ったり、けれど互いを思う気持ちとちょっとした勇気でまたふっと寄り添ったり。「このささやかな悲しさや寂しさや嬉しさや幸せを、誰が『ちっさい』などと言えようか?」…とか、そんな事を思う作品です。あまりに誠実で心優しい『ままならなさ』が、何だかとても心地よく。
今巻はひろのちゃんの「『実家へ行く』って、そうゆうことでしょ?」に胸を撃ち抜かれましたよ。あの純粋さはすげぇ破壊力です。土下座して有難く頂きなさい、深町よ。赤井君は、あの顔も心もかわいいほのかちゃんの為になら何でもするべきだと思います。そして顕は天然ジゴロなメガネで、腹立つ奴で、いい奴だよなぁと。何かも〜、出てくる人達みんな大好きですよ(笑)
でもって8話のポセイドン話は何というか…あまりにもあったか切なくて、そこまでの展開と相まって、最後のページでマジで涙ぐんでしまいましたよ。電車の中なのに(^^;;)