2005/3/19

きみのカケラ 4巻/高橋しん小学館
今巻も描き下ろし100P+全編完全加筆の大ボリュームでリリース。
今回は飛行中の『ナマズ』内での密室劇で、あまりストーリーが進んでいないように感じるモノの、登場人物各々の心理や関係が丁寧にえがかれているのが良かったです(余談ですが、アレが『ナマズ』なのは、やはり小学館ナマズマークにちなんでいるのでしょうかね?)
幼さ(未熟さ)による純粋さと、『小さくても女』な幼女ならではの『ちょっとおませさん』さが滲むヨナの視点による問いかけや語りには、ソレが(単に事象としての問題だけではなく、物事の)本質を射ているだけに、かなり引き込まれたなぁと。
そして、『自身の信念による選択』ではなく、単に『それしか知らないから』という逼迫した理由によって『レジスタンス』としてひたむきに生きようとするヨナが、「それ意外のやり方だってあるんだ」というようなイコロの生き方を目にする事により少しずつ変わったり、逆に、そんなヨナによって新たな歓びを見出すイコロの姿がねぇ…何だかもう切ない。イコロの聡さと誠実さ、それ故に彼女が『背負ってしまう』ものの重さがまた切ない。記憶どころか哀しみさえ持ち得られないシロの笑顔が切ない。がんばれ〜!がんばれ〜!(T▽T)
例によって次巻刊行(そして最終巻の刊行)がいつになるのかは謎ですが、まぁ気長に待っていようと思います。
カッパの飼い方石川優吾集英社
かわいい子カッパ『かぁたん』と過ごす、とても楽しくちょっぴりトホホな素敵カッパライフ。謎のキノコ『カッパタケ』、カッパ相撲、台風とカッパ…などなど、今巻もイベント盛りだくさんで、それによって明らかになる『驚くべきカッパの生態』には、ほのぼのと笑わせられて暖かい気持ちになり、「自分もこの『カッパがいる世界』に生きたかったなぁ」と思わせられますな。
それにしても、相変わらずヘラクレス関連のエピソードには涙腺を緩くさせられますよ。飼い主の美代ちゃんがまたいい子で…美代ちゃんは小さいのに、大切な事をちゃんと知っている。どうかその大切なモノを忘れずに、大きくなって欲しいものです。