2005/4/26

PLUTO 2巻/浦沢直樹×手塚治虫小学館
時は、人と高度な知能を有する自立型ロボットが共存する未来。世界最高水準のロボットの連続破壊事件と平行して起こる、ロボットを養護する社会地位のある人間に対する猟奇殺人事件の、断片的な影だけを残す姿無き犯人を追うのは、自身も狙われる立場にあるロボット刑事ゲジヒト。ロボットには友好的でない田鷲警視…そして、『アトム』。だが、象徴的な痕跡だけを残しながら犯行を繰り返す犯人の思惑は、未だこの『舞台』の上には見えては来ない。
いや〜…自分にはショタ趣味はない筈なのですが、浦沢氏のえがくアトム少年の表情や挙動や言動には、激しい萌えを感じてしまいましたよ。『無形』である感情を『具象』として効果的に見せる、言葉(ロジック)ではない描画や表現の巧みさに心を奪われました。
アトムに限らず作品中の、その外見や挙動などはもう完全に人間らしかったりする(けれどもそれはやはり『そのもの』ではないのだと、読者には分かる表現でえがかれる)ロボット達が、『人ならざるもの』である自身の存在を疑問視し葛藤する姿には、何だかもう胸が詰まる思いで…あ〜、上手く言えないなぁ<こういう時に自分の愚鈍さを再認識してイヤになりますよ。
例えばヘラクレスとゲジヒトのやりとりと、その果ての「なあ……俺たちは……進化してると思わないか…?」というセリフや、そこに至る流れとかがたまらんのですが…そのたまらん具合を他者に伝える言葉が出てこない…あ〜、どうして自分はこんなにバカなのだ!(T△T)