2005/5/19

蒼のサンクトゥス 2巻/やまむらはじめ集英社
首都湾上に顕現した、地でも海でもない異空間<A-NEST>。稀少鉱物という宝を秘めながら人の存在を拒む未知なるフロンティアに挑むハルキは、そこに憧れと、かつて見失った父の背とを追う。だがあまりにも謎に満ちたままならぬ現実の中で、彼の高く掲げられた理想と願いに伸ばされたその手は、まだ掴むものを得ない。
世界や人物の基本設定を読者に分かり易く見せる展開だった前巻に続く今巻は、登場人物達(とりわけ主人公であるハルキ)のより深い心理描写の表現が光るエピソードが多数ありました。
今巻のハルキは全般的にから回り気味のいいとこナシで、感情移入の対象である彼の悪戦苦闘は、読み手にも少々ストレスめいたもどかしさをもたらしたと思いますが、この辺りは今後えがかれるであろう彼の成長や、3人のチームとしての成熟を見せるためにも先ずきちんと消化しておくべきエピソードでもあったのではなかろうかと。
そしてこの丹念な人物描写こそが、やまむら作品の味だったりもするのですよな。シーンの切り取り方や、各パートでの緩急の巧みさはもう「お見事!」の一言で。10、11話での日奈の行動や表情の描写(から透けて見える彼女の心理の動き)などはもうたまらんですよ。
まだまだ奥の深い<A-NEST>の謎も含め、今後の展開からも目が離せません。



破壊魔定光 11巻/中平正彦集英社
『敵』の姿を求め、その手がかりを追うべく平行世界を渡ってその世界の自分を訪ねる定光。そんなパラレル極まる展開の中で、ついに女定光と遭遇! 凄いぞ爆乳レディースな定光! 惚れたぜ姐さんっ!<落ち着け(^^;;)
体操服でネコ耳しっぽだったり、「おめえの側に居てもいいのは、そんな俺だと思う」と言われて赤くなる神代がまたかわいいし、(平行世界の存在ながらも)久しぶりに元気なコオネの姿を見られたのも嬉しかったですよ。
魅力的なSF設定と燃えるアクションバトルだけでも面白いのに、萌えやギャグまで完全装備…本当にいい作品だなぁコレ。

フルーツバスケット 17巻/高屋奈月白泉社
正直、慊人の事は今まで『イ○レホモ』としか思っていなかったのですが、それがよもやあのような最強のツンデレキャラだったとは…や、ヤラれました。「ウゼぇと思っていた気持ちが、不覚にもそっくりそのまま萌えへと変換されちゃったよ!」とフルバ好きの同僚女史に言ったらば、「何て現金な…446さんは本当に女の子に甘いですよね」と笑顔(だが冷えた目)で言われてしまいました。ははは…(^^;;)
ツンデレといえば、真知と由希の関係も牛歩ながらもいい具合に進展してきているので、2人の今後も気になります。いや〜、ぶっちゃけこの作品は本筋がどうのこうのよりも、少女マンガなラブ模様を見ている方が面白かったりするので、もう『可能な限りカップルを作る!』位の勢いで行って頂きたいと願っております。