2005/6/17

ひかりのまち (サンデーGXコミックス)ひかりのまち/浅野にいお/小学館
これはその日当たりの良さから『ひかりのまち』と呼ばれる東京近郊の新興住宅地で暮らす、『人生』という時間をもがき生きる人々が奏でる日々の営みの物語。
前作の『素晴らしい世界』と同様に、短編のオムニバス形式で綴られる群像劇は、登場人物が背負った各々の事情の重さを問わず、そのどれもがやるせない空気に満ちている。
薄闇に沈む出口のない世界(日常)であがく彼ら彼女らの一挙手一投足、あるいはその口から漏らされる『失われたもの』や『今失われつつあるもの』を語る言葉…それらは現実と物語(虚構)の境界線を越えて、本来は安全地帯にいる筈の『読者』をも傷付ける。
だが、胸に痛みを覚えながらもこの作品から目が離せないのは、その痛みと同様に不可視の境界線を越えて、胸に覚えた痛みよりも遙かに深く染み渡る温もりを、確かにそこに感じられるから。
薄闇の世界に差し込むその『ひかり』は、目を焼くような激しさではなく、雲間から差し込む日差しのように淡い輪郭で、『なくしたものの向こう側に見える世界』をおぼろげに照らし出す。そして登場人物達がそこに希望を垣間見たように、彼らを通して自分もまた、そこに何かを見出すのだ。
…って何だろうなぁ、このハンパにポエミ〜な感想文は?まとまってないし(^^;;)



ボクを包む月の光―ぼく地球次世代編 (1) (花とゆめCOMICS (2801))ボクを包む月の光 1巻/日渡早紀白泉社
名作長編『ぼくの地球を守って』の主人公、輪と亜梨子の息子である蓮少年が主人公の次世代編…なワケですが、今作の主人公である蓮少年は、まだ狂言回しの『道具』としてしか動いていないよなぁとか。
まぁ本来は『前作の愛読者への感謝的な単発作品』だったものがシリーズ化されたとの事なので、蓮少年のこの扱いもむべなるかなとも思い。
連少年やその仲間達の活躍は、シリーズ化を意識して描かれる今後に期待したいと思います。あと、微妙なデッサンの狂いが補正される事も願いつつ…(^^;;)
久しぶりに『ぼく地球』を読み返したくなったのですが…マンガ喫茶に行くしかないかなぁ<しかし所有している本を金を出して読みに行くのも何だなぁとか(押入内にある事は間違いないのですが、その中に格納された大量の箱のどれに入っているのかが分からないのですよ…)