2005/7/23

KING OF BANDIT JING(7) (マガジンZKC)KiNG OF BANDIT JiNG 7巻/熊倉裕一講談社
1年4ヶ月ぶりの新刊は、没落の服飾の都での、失われた国の退廃の美と弔いの物語。
冒頭の奇蹄会vs偶蹄会な宗教戦争のネタも面白そうだったのですが…いずれやるのでしょうか? でもやらない気もするなぁ。掘り下げれば1本作れそうなネタを、単なる前振りや物語の味付けのために使い捨てる辺りも、この作品の格好良さの一因な気がするので<あと、遊びの設定にも凝った作り込みをしている所とか。
味付けといえば、今回のヒロイン・ピコン姫関連の設定(こびとさん一族/『花弁だけを纏い、花の香りだけを化粧とせよ』という文明(教義?)/服飾がない文明だが女は刺繍を作り、男はみな下戸なのに酒を造る)とかも絶妙でしたな。
…とか書いていて気付いたのですが、モチーフには『おやゆび姫』が取り入れられているのかな?



原獣文書 (7) (ウィングス・コミックス)原獣文書 8巻/なるしまゆり新書館
姿なき『黄金の死(モールドレ)』、そしてRJの『美しい色をした杖』…『原獣文書』。滅びの定めを背負う遺伝子の輪を抜けるべく仕掛けられたルノーの計画。物語を回す動力たる謎が今、遙か地底の底に降りたRJの前で明かされる。
こちらも1年8ヶ月ぶりの新刊刊行。しかしいつ読んでも何度読んでも、この作品の登場人物達(RJのチーム)の、しなやかな意志の強さと逞しさには心を揺さぶられますよ。どこにいても迷う時も、他者を思いやり自分を失わない…つ〜か、あの極限状態でも自分の趣味を貫く友能女史の姿勢には脱帽するのを通り越して平服いたします。『彼女にしたくない最高にいい女』ランキングの1位は彼女だよなぁ(笑)
アルビレオツンデレっぷりや無自覚な恋にも激しく萌えますよ。ゼーン…美味しいヤツめ。