2005/7/26
少年 2巻／西炯子／小学館
小賢しく見栄っ張りのロマンチストで寂しがり屋な『少年』佐藤の、何だかこ〜不器用で無様で暑苦しくこっぱずかしい恋の話。2巻完結。しかし過不足なくまとまった上下巻的な構成の巧みさ。
不思議少女みちるの一挙手一投足に右往左往しする佐藤（インテリ少年）の乙女っぷりがも〜こそばゆい事。
しかし彼の感じる孤独やソレに対する恐れは、彼よりも年を経た自分にも切実に伝わってきますよ。著者氏のえがく孤独やソレに寄り添う寂しい心、そしてそれが（恒久的にではないにせよ）報いられる瞬間の鮮烈さには、幾度となく心を震わせられます。
作中作のポヤンの物語は、実際に絵本で読んでみたいなと切望。普通に面白くて感動できそうです。
イヴの眠り 4巻／吉田秋生／小学館場所も状況も動いてはいるモノの、基本的な構造（強大過ぎる能力を持つキ○ガイを追っての闘争、しかも常に後手に回っている）という図式は変わらないので、ちょっと飽きてきたなぁとか。
今の段階では唯一絶対の敵対者である死鬼のキャラとしての内面描写が浅いままなので、アリサが彼に執着する事の説得力が弱く、イマイチ『理性で拒みながらも心が惹かれる』という描写にも説得力や盛り上がりが感じられず…折角主人公を女性にしたのだから、もう少しラブ方に重きを置いた展開にしてもいい気がしますが。烈には正当派ヒーロー（？）としてもう少し頑張って頂きたい所です。まぁ、その辺は今後に期待しつつ…。
