2005/7/28

すずめすずなり(1) (アフタヌーンKC)すずめすずなり 1巻/秋山はる講談社
駅徒歩10分、コンビニ近し、家賃は良心的。そんなアパートの入居条件…唯一絶対のオキテは、『朝6時半からの朝食に出席できること』!?
『新宿までトータル30分』というアパートの設定に、妙な親近感を覚えるこの作品。そんな(恐らく)都内近郊のどこかにありそうな場所で繰り広げられる、謎の大家に愉快な隣人、そしてセンシティブな大家の娘さん(14歳)が奏でる一喜一憂の日常風景。
世界の命運をかけたり、社会や心の闇をえぐったりもしない、ありそでなさそなごくごく汎日常の風景と、狭義の社会生活や(しかし当事者にとっては結構真面目で深刻な)対人関係で右往左往するこそばゆい日々。
『あたりまえ』が面白い、ダラりまったりほんわかコメディです。
『おいしい朝ご飯』への憧憬がつのる都会の一人暮らしですが、4時5時(ヘタをすると6時)就寝の自分の場合は、6時半の朝食卓への参加義務(時間厳守)なこのアパートには絶対に住めないなと、悲しく思ったり。しかしその辺りのアンビンバレンツな切なさがまた、この作品に心惹かれる要因でもあったり。