2005/8/1

■ 『しゃばけ畠中恵

しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)

しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)

『「なんてことだろう。私はその、なりそこないを、何とかしなけりゃぁならないらしい」』
体力がスペランカー並に貧弱なおぼっちゃん主人公と、忠誠度が高すぎてコマンド入力を受け付けない妖怪しもべ2匹が猟奇殺人に(人が死ぬだけ死んでから)挑んだりする、お江戸妖怪譚でヤングノベル(ある意味少女向け?)風味の作品<こう書くと身も蓋もないな(^^;;)
ぶっちゃけどこかで見たようなステレオタイプで半端なキャラ造形と、薄味の謎と、各々のエピソードに割くページ配分が冗長な方向へ偏っているために、文庫本1冊という分量の割には何だか壮大な物語の序文だけを読んでいるような感覚に…。
まぁ、文庫の値段で頭休めに読むにはぼちぼちだったかなと。
ぼっちゃんと小者妖怪のやりとりはいい雰囲気だったので、その辺りを切り取った短編とかだったら面白いかもなと思い。
この作品の続編(ハードカバーで刊行済み)は短編集らしいのですが、もし前述のようなノリだったら文庫化された際に読んでみたいです。