2005/9/30

ケロロ軍曹 (11) 【初回完全限定版】 アクションケロロパックケロロ軍曹 11巻/吉崎観音角川書店
軍曹のアクションフィギュア付き初回限定版を購入。いや〜、充実しすぎの換装パーツでかなり遊べるオモロ凄い出来ですよ。買って損なし。
第一部完的エピソード『史上最小之侵略』に続き、第二部完的エピソードとなった『決戦、ケロロ小隊24時』の完結編を収録。『史上最小』よりも更に突っ込んだ、『侵略者でありながらともだち』なケロロ小隊と日向家&周辺キャラの繋がりのドラマがよかったなぁと。
冬樹の「僕の地球を」という呼びかけに呼応する軍曹や、好き勝手やりたい放題でも、何だかんだでやはり中核な軍曹の元に集う小隊メンバーのアクションが、良い意味での王道的お約束での熱さで燃えました。
あと、冬樹の台詞が「僕『たち』の」ではなく、「僕の地球を」だった点もポイントかなぁとか。
自分と軍曹の関係や立場(侵略者と侵略対象)を踏まえた『僕』が、それでも「僕の(軍曹達と過ごす日常生活の基盤としての)地球(を守って)」と叫ぶ。
それが『人類』とかいう巨視的なヒロイズムから出たお題目ではなく、ごく私的な(だからこそ切実で大切な)個対個の信頼関係に集約される『願い』であったからこそ、その台詞は説得力と共感に溢れ、また、そんな冬樹にだからこそ、軍曹は応える…って、まとまってないなコレ。
まぁ、そんなまとまらない印象も自己内で反芻しながら読んだラスト2Pの2人のやりとりが、猛烈に心に染みました。
その他雑感としては、夏美とケロロの関係は夏美と冬樹以上に『姉弟』っぽいなぁと今更ながらに思ったり、忍一族(特に頭領)のあまりの潔さに惚れたり心洗われたり、桃華と散世のステキ恋敵の友情に萌えたり、ママの色香と包容力に悶え転がったり、等々…あ〜、いい作品だ。
ちなみにケロロ小隊では、クルルが一番好きです(<どうしてこう『半径100㎞内に近づきたくない』タイプばかり好きになるかなぁ…)。でもって、モアちゃんがらみだと更に好きです<分かり易い嗜好(笑)



少年探偵犬神ゲル 2 (2) (ヤングガンガンコミックス)少年探偵犬神ゲル 2巻/ゴツボ☆リュウジ/スクウェア・エニックス
外道守銭奴少年探偵(知性派のルックスを裏切るバリバリの武闘派)犬神君と、実父から彼に売り飛ばされた薄幸の少女マリー、そして犬神君に仕える謎過ぎるダンディ執事セバスチャンクラレンスからなる『犬神アンダーグラウンドサーチ』。正義より仁義より人情より重いリアルマネーのために、今日も彼らはペット(もちろん金持ちの)を捜したり、依頼を阻害する者や、ファッションセンスの悪い怪盗と闘ったりするのだ!
…というワケで、マリーちゃんの薄幸っぷりを愛でる作品(え!?)。
見所と笑い所の焦点をイマイチ把握できないながらも、それなりに面白く読めてしまうワケですが…まぁ、こういった全体的な散漫さが、この作品の持ち味なのかなぁとも思ったり。
はっきり言うと大筋も伏線もないキャラターマンガなので、どんどんメインサブのキャラクターを増やして面白おかしく取り回して頂きたいです。
…といった観点からすると、1巻でもちらっと出てきた警察の皆さんに、より突っ込んだ焦点が当てられているのが良かったなと。警察組は、以降はスパルタンⅣがらみでレギュラー化?<彼らの関係ややりとりは、ぶっちゃけ犬神君チームより面白いので、そのようになる事を希望。
あ、ソリャそうと、敵も味方もメインもサブもゲストもザコも、ナニゲにメガネ野郎共が多い作品なので、メガネキャラ好きの向きにはオススメしたいかな、という視点が!(笑)

豪放ライラック(1) (GUM COMICS)豪放ライラック 3巻/桑田乃梨子ワニブックス
世の『妹萌え』な人々に与えられた試金石的なマンガ(?)
『間違った自己認識をもって、およそ客観性のないまま、思ったことを片っ端から声に出し、人の迷惑を顧みずにやりたい放題』な『特に美少女でもないダメ甘ったれな妹キャラ』に、君は萌えられるか!?
…ゴメン、自分は心が狭いから、実はダメなんですよコレ系のキャラ。いくら美少女でもダメ。まして(ビジュアルが重要なマンガ作品に於いては特に)美少女でもなかったら更にダメ(^^;;)
なのでそういうアレが主人公なこのマンガは、読んでいると非常にストレスが溜まります。
しかし話は面白いのでつい読んでしまうという…罪だぜ桑田作品。
しかもそのダメ妹系主人公が時折かわいい所も見せてくれたりするため、決定的には嫌いになれなれずについ読み続けてしまう…という悩ましい作品です。
楓が胃炎で倒れた回はちょっと(りらが)頑張ったなぁと感心したのですが、その後の下級生話でまたガックリ。
こんな自分にもいつか、りらの奇行をかわいいと思えるような、達観した大人になれる日が来るのだろうかなぁ…え〜、5、60年後位には?<いや、多分余裕で死んでるからその頃は(寒)

大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))大奥 1巻/よしながふみ白泉社
ドラマ等の影響で、どうも『愛憎渦巻く』とか、『女同志の熾烈な戦い』といった生臭い、自分の苦手なイメージを彷彿とさせてくれる『大奥』というキーワード。
通常ならば絶対に手にしないタイトルでモチーフの作品なのですが、作者がよしながふみ氏で、『将軍は女、大奥には美男三千人』とかいうオモロげなキャッチを帯に書かれた日にゃ、「コリャ読まねば」と思って手にしてみました。
「著者氏が著者氏だし、『美男三千人』でボーイズラブ系だったらかなり恐いよなぁ…まぁ掲載誌がメロディだから、あまり激しい表現はあるまい(^^;;)」と、少々ビビりながら読み始めたのですが…お〜も〜し〜れ〜〜〜!!!
いや、確かにアレな描写も些少はあるのですが、それすらも物語の醍醐味の要素ですよ!
そしてそれ以上に将軍様(女性)の漢(おとこ)っぷりには激しく惚れますよ!あれなら自分も『大奥』に入ってみたい!<いや無理だから、容色的にも(^^;;)
…とかいうワケで、女性だけでなく、男性にもお勧めしたいこの1作。
奇病の蔓延によって男女の人口比が大幅に狂い、激減した男が担うべき働きを女が負うようになって年月が流れ、春日局が女であった事すら知らぬようになった、徳川八代将軍吉宗の御世。名君吉宗は過去に何を見、そしてその将軍によってどのような未来が開かれるのか…続巻が待ち遠しいです。