2005/11/24

殻都市の夢 (F×comics)
殻都市の夢/鬼頭莫宏太田出版
都市の上に都市を重ねて、目に見える貧富でその上層と下層を隔てながら、崩落を続ける土台から目を背けるように果ても見えぬ高みへと構築されてゆく『外殻都市』。
そんないびつな世界の日常と非日常の狭間で、だが男は女を想い、女は男を思う。人が人を愛し、人ならぬ者が人を愛し、そして人が人ならぬ者を愛する。
渾身の力であれ、逡巡の果てにであれ、そこで生きるすべてのものたちは、あたかも『それこそが自己を唯一の存在たらしめる』とでも言わんばかりに、互いの心を沿わせようとする。
…我々はただ、果てを夢見ながら崩れ行く世界で、それでもひたすらに生きることにひたむきだった彼らの姿を、この目に焼き付けるのみなのだ。
読み切り連作集。シビアな設定や筋立ての割には明確な『救済』も見て取れるロマンチックな話が多いので、鬼頭作品の中でも割と安心して読める一作ではないかなぁと?
聖女と娼婦と『おんなのこ』と…著者氏のえがく『女という生き物』に対する幻想には、どの作品に於いてでも非常に惹かれますが、その中でも『造物主の檻』のオチに見られるような、『年若くても女』な少女たちのあっけらかんとしたしたたかさが非常に好きだったりします。
真面目にやっても手を抜いても、人生なんてただの『暇つぶし』。
それは自分にだけ許された、自分だけが赦す事ができる、神ならぬこの身に許された、たった一つの贅沢。
あまりにも魅力的な設定と物語だったので、これで終わってしまうのは、本当に惜しいよなぁと。



足洗邸の住人たち。 (5) (Gum comics)足洗邸の住人たち。5巻/みなぎ得一ワニブックス
國を原初へと戻すべく大太の復活を目論む『別國津神』と、住人とその家を守らんとする足洗邸の住人たちの闘争は、意外な人物の復活に加えて屋敷の真の主とも言えるであろう存在の降臨によって、より激しく深きものへと転化してゆく。
足洗邸の長い長い長いなが〜い一日は、まだまだ終わらず。
面白いのでダレはしないのですが、年1回の刊行ペースでは待ち遠しいにも程があるというか、一連の流れを忘却してしまうので新刊が出る度に1巻から読み返してしまうのが難だなというか、そんな自分の弱い記憶力が恨めしいというか(^^;;)
で、読み返したら不明のまま投げっぱなしになっている福太郎と浪花天使との過去エピソードが気になって仕方がなく…あと、2年程見ていない義鷹はいつ帰ってくるのだろうかと?<いやでもまだ『1日』も経っていないしなぁ(笑)
でもって個人的にラウラ様が激萌えなので、出番が増えるといいなと願いつつ<15Pのお姿を見ると『はいてない』よねアレ!<でも16Pを見るとTバックっぽいのが謎だよね!<偏執狂的熱狂