2006/1/4

■ 『ネコソギラジカル/上中下/西尾維新

ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)


ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 (講談社ノベルス)


ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

エキセントリックな登場人物が湯水のように湧いて次々と消費されることや、常にその場だけの盛り上がりと読者を裏切ることしか考えていなさそうな整合性を欠くドラスティックな展開に、「何かを思い出すなぁ」と思っていたのですが、今回3冊を一気読みしてふと「あ、B○EACHだ」と気付きました<今更的
いーちゃんが玖渚を『壊した』という過去話は、「多分、具体的には書かないだろうなぁ」と予測はしていたモノの、本当にやりませんでしたな。
物語の根幹で、ある意味最も読者の興味の的であったろうこのネタを、煽るだけ煽ってスルーする投げ出しっぷりは清涼○流水っぽいなぁとも思い。
まぁでもこの作品は、文章や設定や展開の壊れっぷりを愛でるのが楽しい作品であった気もするので、その終わりはコレで良かった気もするのです。何だかんだ言っても楽しく読んでいましたから。
でもってこうして読み終えてみると、良くも悪くも『新青春エンタ』とはよく名付けたモンだなぁと、編集側のコピーセンスに改めて感服した次第で。
竹氏のイラストは最初から最後まで素敵でした。「あの絵無くしては成り立たなかった物語世界であろうなぁ」と思う程に。