06/8/26

げんしけん(8) (アフタヌーンKC)■げんしけん 8巻/木尾士目/講談社
『認めたくないものだな。自分自身の若さゆえの過ちというものを』
…とはいうものの若い頃の想い出というのは、大抵はその若さ故に何らかの痛々しさにまみれているものです。ましてそれがヲタ体験ともなれば痛さに拍車もかかろう…というのは、自身も体験的に覚えがあることですが、それにしても痛くて重過ぎますよ荻上の過去は(T▽T)
そんなワケで、現在の荻上を形作ったトラウマがついに明らかに。
幸い自分はヲタ人生が長い割にはそれで迫害や裏切りを受けたことも、深刻な人間関係の対立もなくやってきたのですが、実際に彼女のように傷けられたり、隠していた秘密が致命的な露見をしたことで人生が大きく軌道を変えた人も多くいるのではないかと思うと、何ともいたたまれぬ気持ちになります。
…しかし自分に告白してきた(自分も少なからぬ好意を抱いている)相手のや○い絵を描かずにおられなかった荻上腐女子魂も、何とも業が深いというか…その辺り、現実の腐女子の皆さんはどうでいらっしゃるものでしょうか?(^^;;)
かつては自身を裏切った『仲間』、そして自分が裏切った『好きな人』という立場の人たちに支えられ、傷を乗り越えて成長を遂げた荻上
このあまりにも『理想的な救済の技法』により(全てではないにしろ)一気に問題が解消された性急な展開には多少の違和感も感じましたが、『ドラマの傍観者』としての共感により覚えた個人的な『痛み』は上手く解消されたかなぁとも思いました。いつまでも引っ張られて鬱展開が続くのもイヤですしね。
ともあれげんしけんの仲間たちに乾杯。そして笹原と荻上の未来に幸多からんことを。
げんしけん (9) 限定版…って、盛り上がり最高潮でもまだ最終巻じゃないんだよなぁ<刊行前はこの巻が最終巻になると思い込んでおりました(笑)
次の9巻は再び同人誌付きの限定版が発売されるので、忘れず早めに予約しておこうと思います。くじアンのアニメも10月から放映なので、録画してくれる同僚を捜さねばなと。



謎の彼女X(1) (アフタヌーンKC)■謎の彼女X 1巻/植芝理一/講談社
椿明のクラスにやってきた転校生・ト部美琴は『ヘンな奴』。けれど椿が教室で眠っていた彼女の×××を××たことにより、ふたりの間には想像も及ばない『絆』が結ばれてしまった。
どこにでもいそうな少年・椿と、起こる不思議を、生まれる謎を、「わたしは そういう人だから」の一言ですべて呑み込む少女・卜部の奏でる、これはどこにでもある『ボーイ・ミーツ・ガール』の物語。けれどもそれは、『ありきたり』などという凡庸さからは百万光年の彼方ほど遠く。
何がどのように不思議なのかを書くと興ざめなのでぼかして書いたら、どうにも捕らえ所のないカンジに(^^;;)
待ってましたの新作は、既存作よりは一般寄りの設定ながらもそこはソレ。著者氏ならではのフェティッシュなこだわりがちりばめられた、舞台が凡庸な日常であることが逆にエキセントリックな味付けを際立たせている怪作かつ快作。
んも〜、卜部の一挙手一投足に目を奪われますよ。特に足がエロいよ足が!やはり著者氏は魅惑的な不思議少女を描かせたら日本一のマンガ家だよなと再認識した次第。
おかしな方向にスケールの大きい話にはならないで欲しいなと願いつつ、ふたりのこのかなり風変わりな『おつきあい』を見守っていこうと思います。

天体戦士サンレッド 3 (ヤングガンガンコミックス)■天体戦士サンレッド 3巻/くぼたまこと/スクウェア・エニックス
近所づきあいを大切にする悪の組織フロシャイム(神奈川県川崎支部)と、正義の味方サンレッド(職業=ヒモ)との、生死を賭した(?)闘争の日々…しかし『いい人』怪人と『悪い人ではない』ヒーローは、何だかんだでフレンドリーだったりする。
果たしてフロシャイムがサンレッドを倒し、世界征服を果たす日は来るのか?<多分来ない<でもソレも面白そうなのでちょっと見てみたい
ファンシーマスコット系怪人3体によるアニマルソルジャー結成!
いやマジで今巻の表紙は、本屋の平台でサンレッドの新刊だと気付かずに店員さんに置き場を聞いてしまいましたよ(笑)
ウサコッツのかよ子さんに対する淡い恋心が可愛かったのですが、そのかよ子さんの魅力も大幅にアップしていてビックリ。何だろう…テコ入れなのコレ?面白いから何でもいいけども!
天井裏の「何か」は、きっと中に世話焼きおばちゃんが入っているに違いないと思ったり。ウチの天井裏に居たら、きっと1日延々と叱られそうだなぁ自分。
そして今回も有難いヴァンプ将軍の『さっと一品』が、ついに巻頭カラーに進出。いやもー本当に大変だよね、一人暮らしで卵を使い切るのは。
もしこの企画が小ネタマンガ付きで単独リリースされたら絶対に買いますよ。どうですかスクエニさん?