夏のあらし! 1 (ガンガンWINGコミックス)／小林尽／スクウェア・エニックス

夏休みに祖父を尋ねて街にやってきた少年は、『方舟』という名の喫茶店で和装が麗しい黒髪の女子高生・あらしと出逢った。
八坂の手を取り不思議な力を見せ、「私はあなたに取り憑かせてもらったんだもの」と自らを幽霊のように語るあらし。
八坂一・13歳。自称幽霊少女に、百戦錬磨の詐欺師に、文学系美少年。ワケありげな人々と過ごすたった一度きりの長く暑い夏休みは、まだまだ始まったばかりだ。
現代と言うには少しレトロな、そこはかとなく昭和の香り漂うノスタルジックファンタジー開幕。
1巻は不思議そのものよりも登場人物たちの日常をえがき、各自のキャラクターや互いの関係性、そしてそれが生み出す雰囲気や世界観を見せる構成で。
なので、何があるというワケではないのですが、緩やかなその日常描写の空気が何とも言えぬ心地よさです。何といってもあらしの可愛さがたまらんですよ。
巻末の引きでは不思議部分の核心に迫る重要な新キャラも登場し、次巻以降の展開にも期待大です。
上賀茂が知り合い（の女の子）を避ける理由にも、いずれ触れるのかな？