いとしのニーナ 1巻/いくえみ綾/幻冬社

いとしのニーナ 1 (バーズコミックスデラックス)「青田新名 がっこうがえりに拉致りました」
厚志(フツーの男子高生)が、幼なじみのマサ(元イジメられっこ)のアパートに行くと、通学電車で一緒になる新名(憧れの美少女)が拘束されていた。
すったもんだの末に新名を解放した厚志は、成り行きから彼女のボディーガードになるが、ニーナの拉致を命令した牛島(タチの悪い不良)は一筋縄ではいかない。
外山厚志・16歳。いつも同じだった日常と自分が、こんな風に変わってゆくなんて…。
「実際にあってもおかしくないどころか、予想以上にありそうな話なのが怖いよなぁ…」という出来事から始まる、犯罪としては入口でも、青春としては大事件。
幸い陰惨な方向へエスカレートする話ではないのですが、被害者となった新名の日常的な言動は、それが自然にえがかれていることで逆に十二分に痛々しく、生々しいです。
巻末で一見あっけなく幕を引いたかに見える『拉致事件』ですが、『事件』そのものではなく『それによって傷を受けた人たち』の物語が始まるのは、むしろこれからであるような気がします。
続巻を心待ちにしております…が、何だか刊行速度が遅そうなんだよなぁこの作品(^^;;)