Landreaall 10巻/おがきちか/一迅社

Landreaall 10 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)父王の訃報を受け国へと戻り、その崩御により継承問題の渦中に置かれた竜胆。そんな竜胆の助けとなるべく学園を旅立ったDXと六甲、そしてアン。
だがDXが切り札として実家から『神竜の剣』を持ち出そうと試みる間にも、竜胆は竜脈を祓う儀式を、彼を守護せんとする五十四は死線へと身を置く戦いへと挑んでいた。
怒濤の展開に、新たな出会いと既知との再会。旅立ったDXも残ったイオンも、どちらのサイドの展開も熱いですよ!
特に、フィルを守ろうとR・ケリーに啖呵を切ったイオンの勇気と、その震える手、そしてフィルの決意には目頭に熱いものがこみ上げてきました。
どのような形にも沿えると思わせる柔軟さを持つのに、形を変えても芯は歪まず、決して折れない心のかたち。だからこその純粋たる怒り。
身分でも体技でもなく、小さな体に詰まったイオンの一番尊く美しい力には、いつでも畏敬の念を覚えます。
小さくとも大きな輝きを生み、あらゆるものを照らすかけがえのない星。どんなに暗い夜の中でも光る道しるべ。本当に『善い子』だよなぁ…。
1コマながらも印象深かったのは、「俺はアンちゃんが望んでいるような人間じゃないと思うよ」というDXの台詞に応えた、アンちゃんの「私の望みなんか知らないクセに!」という、強い意志や様々な感情のこもった不敵な笑顔でした。加えて直後に意外な弱点も判明した際のうろたえ具合もいいカンジで(笑)
新登場のイプカは男のようにも女のようにも見えるのですが、もし女だった場合、ライナスとの繋がりは借金ではなく恋愛がらみなのではないかなとかいう妄想。
DXの周到な思惑が見えたExtraも興味深く。やはりただの『物見遊山』ではなかったのだなぁと改めて感心したり<まぁ、無論その側面も大きかったように思われますが(笑)
ロックシェルト隊長と副官(?)ソールズのコンビも魅力的で、いずれ果たされるであろう再登場が待ち遠しいです。
少年ライナスの発掘話は、もうあのオチでただ爆笑。いや、肌着とかで隠すとかできなかったのか…とか思いつく余裕もなかったんだろうなぁと思うと、更に笑いが込み上げますよ。