きみのカケラ 6巻/高橋しん/小学館

きみのカケラ 6 (少年サンデーコミックス)生死不明のまま姿を消したイコロ王女を捜して旅するヨナとシロは、道中で拾った孤児たちを率いて用心棒の一団となっていた。
『未来への種』であるはずの子供は、『滅びを待つだけの未来なき国』では『非力で足手まといの厄介者』…争いを避けようと身を挺したイコロが残した言葉の意味を考えながら、だがその日の命を繋ぐために、ヨナはシロに剣を取らせる。
剣を取り戦うたびに記憶を失ってしまう…その事に何の疑問も疑わずにいたシロが、初めてそれを躊躇した。いつも真っ白だから、曇りのない笑顔で笑えた。けれど悲喜入り交じる記憶を握りしめた時、それができなくなった。
でもシロの本当の笑顔は、きっとその向こうにこそあるのだと思う。だから祈る…少しでも長くシロが記憶を抱きしめていられますようにと。遠からず訪れるであろうシロが再び剣を取るその時が、少しでも先でありますようにと。