もっけ 7巻/熊倉隆敏/講談社

もっけ(7) (アフタヌーンKC)高校生になり寮生活を始めた静流は、交友と共に視界を広げて真摯に他人と向き合おうとする。
中学生になり部活動を始めた瑞樹は、広がる日常世界の中で人と関わることで自分と向き合う。
離れて暮らす姉妹は、日々成長し続ける。
主人公たちだけでなく、周囲の人たちの心の動きもきちんとえがかれているこの作品。今巻では『ノデッポウ』の百瀬の嫉妬や焦燥、そして罪悪感…女の子が抱く独占欲の発露の描写が地味に光っていたなと。
重い過去を克服しようとして暗い道に迷い込んでいそうな御崎がどこへ向かうのか、そしてそれと関わろうとする静流がどうするのかも興味深い所です。
今巻で面白いと思ったのは『バケジゾウ』のシニカルなお地蔵様。
『葬儀は誰のためのものか?』、『情けは人のためならず』、などといったことに思いを馳せつつ、ふと思い出したのが『絶望先生』の『恩着せ』の話でした。うおー、危うく瑞樹がツンデレキャラに!<ならんならん(笑)
とかいうヨタはともかく、想いを託したら想いを返して欲しいと感じてしまうのが人の常ですが、人が人ならざるものに託す想いが、『もっけ』の側からはどう思われているか…色々と考える所がありました。
10月からアニメの放映が始まりますが、例によってウチでは観られず友人に録画をお願いしようかと。原作の『土地の雰囲気』が上手く表現される作品になればいいなと願っております